誹謗中傷などしない大人が知っている、「正しさ」を子供に教える方法

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前回の記事『幼児期の接し方がカギ。「誹謗中傷を繰り返す大人」にしない教育とは』でオリンピックのメダリストへの誹謗中傷について触れ、そのような大人にさせないためにはどうすればいいのかを紹介した現役小学校教諭で無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の著者である松尾英明さん。今回も引き続きオリンピックの炎上に関連して「正しさとは何か」に論点を置き、子供たちへの教育について語っています。

正義なら悪をやっつけてもいいか

前々号に続き、オリンピックの各種炎上対策について、学校教育のできることを考える。

【関連】幼児期の接し方がカギ。「誹謗中傷を繰り返す大人」にしない教育とは

大分前にも書いたが、教室でも悪口をわざわざ広める行為が見られることがある。これを「悪口の郵便屋さん」と教える。

参考:ブログ教師の寺子屋 2019.10.10 「『告げ口』と『相談』の違いとは

「あの人がこんな悪口言ってたよ」といちいち本人に教えに行く子どもがいる。もちろん、単に意地悪で行っていることもあるが、実は親切心からということもある。これは大抵、言われた本人から相談が来て、その後個人的に指導して対策がとれるからまだいい。

教室のみんなの目の前で大声で「○○さんがこんな悪いことしてましたー!」と叫ぶ場合がある。これがいけない(身体的なことや恥ずかしいこと、プライバシーに関わること等だと大変である)。

何より、叫んだ本人がこれが「いけないことだと思っていない」という場合が一番の問題である。つまり「正しい」ことだと本気で思っている場合である。そうでなければ、先生に対してみんなにも聞こえるように大声で叫ばないのである。本人的には、正しいことをして認められたい、褒められたいのである。

問題の本質は「正しいこと」への扱いである。「正しいことなら相手を攻撃してもよいか」ということである。社会的に見た場合の究極は死刑の是非、公開処刑の是非、そして戦争の是非である。

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