怠慢と職務放棄。五輪閉会式で「何も伝えなかった」メディアの無責任

 

閉会式で多様性を表現してはいるものの、伝える側のマインドと言葉選びに、その理念が理解されなければ、伝えるべきものも伝わらない。

支援が必要な人への支援者として「責めないこと」を常に強調している私がメディアを責めるのは、やはり支援が必要な人をスムーズに支援できる社会づくりにはメディアの自覚が必要だと強く思うからで、これは国際社会を生きる私たちが多様性を感じ、表現し、受け入れる行為を実行することが求められるのである。

無観客の中、市民との接触も禁止され、著しい行動制限の中で行われた五輪には、当初の誘致活動で叫ばれた復興五輪のメッセージは何一つない。

開催国が何を発信するかということよりは、人間の可能性を信じて技を磨いてきたアスリートに学び、それを発信するという意地も見せられたと思う。

広島と長崎の原爆投下と終戦に際し、毎年平和を意識する日本の8月に、この祭典が終了し世界の多くの国がひとつの場所に集まったことの、その深い意味を表現できずに五輪の閉会式は終わった。

私たちはここから何を学ぶのだろう。

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image by : 首相官邸

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