セブンイレブンとトヨタが教えてくれた「利益を出せる企業」の特徴

 

重要かつ将来性のある機会に集中

セブンイレブンの鈴木敏文さんは、余計なコスト発生の要因である“ロス”についてこんなことを述懐しています。まず「“ロス”には発注が多すぎたために、売れないで値下げして売らざるをえないで発生する“値下げロス”があります。さらに値下げして売れないで、廃棄処分する“廃棄ロス”があります」。

「マーケティング」とは「顧客が欲する効用(商品・サービス)を提供する」ということで、上記の“値下げロス”や“廃棄ロス”が発生するのは「顧客の欲求」を応えていないから起こることです。これはすべての企業で起こることで「社会に貢献をしなくなった」のシグナルなので、逆転しなければ業績不振から逃れられません。

鈴木敏文さんは“ロス”について“値下げロス”“廃棄ロス”に加えて、もう一つのより重要な今日的な“ロス”について言及しています。そのもう一つというのは“機会ロス”で「かつてのような売り手市場時代は“機会ロス”を考えなくてもよかった」「今日のような環境の厳しい買い手市場時代のビジネスに求められる」としています。

今日の市場の特徴をあらわすについて、2つのキーワードがあります。先に触れた「買い手市場」と、もう一つは「常態的な変化」です。大企業であろうと中堅企業であろうと「“変化対応”に卓越した企業」以外は“値下げロス”や“廃棄ロス”のオンパレードの最中となって、「機会が無限にある」のに“機会ロス”ばかりで迷走しています。

変化できない組織、経営者では、時代相である「買い手市場」「常態的な変化」を取り込むことができないのです。企業はどうしたらよいのか、またドラッカーの見解を聞いてみます。少し長くなるのですが、何を聞くのかというと、それは「われわれの事業は何か。何になるか。何であるべきか」を聞いて行くのです。

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