年金のプロが明かす「年金から引かれすぎた税金」を取り戻す方法

 

1.昭和33年8月3日生まれの男性(今は63歳)

(令和3年版)何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!
絶対マスターしておきたい年金加入月数の数え方

18歳年度末の翌月である昭和52年4月から平成14年8月までの305ヶ月間は厚生年金に加入する。なお、この間の平均標準報酬月額は50万円とする。

平成14年9月から平成18年3月までの43ヶ月間はドイツの支社で働く事になった。ドイツに勤務という事はその間はドイツ年金に加入するのか…というと、5年以内の勤務の場合は社会保障協定により日本の厚生年金や健康保険に加入する事になる。海外に行く時に5年を超える派遣の場合は外国の年金や医療保険に加入する事になる。

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※ 参考

社会保障協定というのは、海外に勤務したりすると日本の社会保険だけでなく外国の社会保険にも加入する必要が出てきたりする。そうすると2重で社会保険を負担しなければならなくなる。よって、他の国と社会保障協定を結ぶ事により、2重加入を排除する事を目的としている。

また、年金については日本では最低で10年以上の加入期間が必要だが、他国にもそれぞれの必要な加入期間が設けられている。例えばドイツは最低でも5年は加入する必要があるが、もし社会保障協定を結んでないと支払った年金保険料が掛け捨てになる恐れがある。日本で6年加入して、ドイツで4年加入するとそれぞれ日本は10年を満たさないし、ドイツでは5年を満たさないからどちらも年金が貰えない事になる。

なので社会保障協定を結んだ国とは期間を通算して、年金を貰う期間を満たせるようにもしている。日本の6年とドイツの4年を組み合わせれば、日本年金は10年に到達するし、ドイツでも日本6年+ドイツ4年=10年となり、ドイツの最低5年加入を満たす事になる。これならドイツ年金を4年分は掛け捨てでなく貰える。

ちなみに通算できない国もある(イギリス、韓国、中国など)。通算が無い場合でも、日本は海外在住期間はカラ期間になるから、日本の年金は貰いやすい。

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平成14年9月から63歳前月の令和3年7月までの227ヶ月間も厚生年金に加入する。なお、平成14年9月から平成15年3月までの7ヶ月間の給与平均は42万円とし、平成15年4月から令和3年7月までの220ヶ月間の給与平均は54万円とします。

さて、63歳になるとこの男性は年金受給権が発生し、翌月の令和3年8月分から年金を貰う事が出来ます。

  • 令和3年7月受給権発生の老齢厚生年金(報酬比例部分)→50万円×7.125÷1,000×305ヶ月+42万円×7.125÷1,000×7ヶ月+54万円×5.481÷1,000×227ヶ月=1,086,563円+20,948円+671,861円=1,779,372円(月額148,281円)

この時に、厚年期間20年未満の同年代の妻あり。収入は年金のみで65万円とする(所得見込みは公的年金等控除60万円を引いて5万円が所得)。夫は退職時に2,000万円の退職一時金を支給される。勤続月数は539ヶ月(44年11ヶ月。1年未満切り上げて45年)。

  • 20年以上勤務の人の退職所得控除→800万円+70万円×(45年-20年)=2,550万円

なので、退職所得は2,000万円-退職所得控除2,550万円=0円

退職所得は分離課税なので、もし確定申告をする際に他の所得と合わせて税金を徴収する事は無い。

ちなみに、年金貰う際に厚生年金期間が44年(528ヶ月)以上超えてるので、長期加入者特例として報酬比例部分の年金に定額部分と配偶者が居れば配偶者加給年金が支給される。そうすると、

  • 定額部分→1,628円×480ヶ月=781,440円
  • 加給年金→390,500円

なので、年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分1,779,372円+定額部分781,440円)+配偶者加給年金390,500円=2,951,312円(月額245,942円。2ヶ月分で491,885円)となる。

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