年金のプロが明かす「年金から引かれすぎた税金」を取り戻す方法

 

さて、この男性の年金総額を見ると、年間108万円を超える年金を貰う事が出来るので所得税がかかってくる。令和4年分扶養親族等申告書を提出したとして、令和4年からかかる源泉徴収される所得税を計算する。

まず基礎控除→2ヶ月分491,885円×25%+65,000円×2ヶ月=252,971円(2ヶ月分)

基礎控除は月額最低9万円使える(2ヶ月分で18万)が、上の計算のほうが高いので252,971円を基礎控除とする。配偶者は所得見込みが95万円以下とすれば、配偶者控除月額32,500円使える(2ヶ月分で65,000円)。障害は無し。

  • 課税所得→2ヶ月分での計算491,885円-(基礎控除252,971円+配偶者控除65,000円)=173,914円

よって、源泉徴収される所得税は173,914円×5.105%=8,878円

つまり、令和4年2月支払いの年金からは、491,885円-源泉徴収税額8,878円=483,007円の偶数月の振り込みとなる。

年間に納める源泉徴収税は8,878円×6回=53,268円

ところで、この男性は介護保険料を年間7万円と国民健康保険5万円を支払っていたが、これを社会保険料控除として使いたかった。65歳前の人は社会保険料は年金からの天引きではない。よって、源泉徴収税には使えなかったので、令和5年1月になったら還付申告をしようと考えていた。一体いくら還付されるのか(源泉徴収はあらかじめ税金を納めておくためのものですが、使える控除をすべて使って精算したい人は確定申告を利用する)。

まず、65歳未満の人の公的年金等控除は年金額が130万円以下の場合は一律60万円。ただし、年金額が130万円を超えて、410万円以下の人は2,951,312円×25%+275,000円=1,012,828円が公的年金等控除。基礎控除は48万円。配偶者控除は妻の所得が48万円以下の場合で、この男性(納税者本人)の合計所得金額1,000万円以下の場合に受けられる。この男性の場合は配偶者控除38万円。

配偶者控除(国税庁)
公的年金等控除(国税庁)

  • 課税所得→2,951,312円-(公的年金等控除1,012,828円+基礎控除48万円+配偶者控除38万円+社会保険料控除12万円)=958,484円

よって、958,484円×5.105%=48,930円

なので、源泉徴収されてきた53,268円-48,930円=4,338円が還付。

※ 追記

毎年1月下旬ごろに年金の源泉徴収票が送られてきます。平成31年4月以降は、確定申告の際は源泉徴収票の添付は不要となりましたが、確定申告の際は源泉徴収票の内容を書く必要があります。なので確定申告書を作成する場合は源泉徴収票を持参しましょう。

あと、扶養親族等申告書は提出を忘れた場合は、最低でも基礎控除を使って税を計算しますが、扶養控除などは使えないのでその分の源泉徴収税額が高くなります。

それでは今日はこの辺で。また来週お会いしましょう。

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
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