アフガンで評価されたオランダ軍方式は「日本の陸自が手本」の意外

 

ここで思い出されるのは、同じ国際治安支援部隊(ISAF)としてアフガニスタンに派遣されたオランダ軍について、オランダ政府当局が他国に比較して戦死者が少ないことについて胸を張っていることを紹介した毎日新聞の記事(2009年5月14日付)です。

アフガン国際部隊 犠牲少ないオランダ軍方式
「アフガニスタンに展開する北大西洋条約機構(NATO)の国際治安支援部隊(ISAF) で、オランダ軍の取り組みが注目を集めている。住民の暮らし改善に力を注ぎ、双方の犠牲者を抑えている。『オランダ・モデル』はブッシュ前米政権から『戦わない軍』と批判されたが、対話を掲げるオバマ政権には一転『成功例』と評価されている。

 

オランダは06年夏から南部ウルズガン州に約1800人を派兵している。同州はカンダハル州、 ヘルマンド州と並び反政府武装組織タリバーンの勢力が強く、最高指導者オマール師の出身地。しかし、2年半余りでオランダ軍の死者は19人。同期間の死者数で比べ、ヘルマンドに約 8300人を送る英軍(140人以上)やカンダハルに約2800人を出すカナダ軍(約100人)より際だって少ない。

 

有力者と信頼感
最大の理由は軍事行動より住民との相互理解に力を入れる点だ。国防省のリートディック作戦本部長は『敵は住民の中にもいる。直接戦えば敵意を持たれて、タリバーンに協力されてしまう』と話す。

 

地元の有力者との信頼関係を元に民生支援に力を注ぐ。『目標は住民自身による復興の手助け』と、外務省のアフガン担当コーディネーター、サストロウィヨト氏。地元の協力を得て、就学する子供は1万数千人から約5万人に、医師は2人から31人に増えた。

 

兵士は『オランダ・モデル』を理解するため事前に半年の訓練を受ける。責任者のセンツ少佐は『住民に敬意を払い、敵にも中立に振る舞うよう訓練する』と強調する。

 

オランダ・ヘルダーラント州の軍演習場。今年4月、200人以上が仕上げの演習に励んでいた。その1人の男性兵(36)は地元警察の助言役として7月に赴く。『アフガンも、助言役になるのも初めて』。警察の組織や現状だけでなく、現地の文化や宗教を学ぶ。

 

クリントン米国務長官は3月末、ハーグでのアフガン支援会議で『オランダは注目すべき成功を収めている。我々の新戦略はこの考えの上に築いた』と持ち上げた。(後略)」

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