今回、NTTドコモは新設備に移行する際、「海外にあるIoT機器から上がってくるデータが、新設備で扱えるものではなく、旧設備に戻すことになった。海外オペレーターを経由するデータは仕様が異なっていた」ということであった。
IoT機器を海外に輸出する際、それらから上がってくるデータを日本で一元的に管理するという仕組みがこれからのキャリアの売りになろうとしていた。KDDIがトヨタ自動車に対して、クルマの中の通信機器を納入し、世界に輸出される自動車からデータを集めるというソリューションを手がけている。キャリアがグローバルでビジネスを展開する際、通信という「つなぐ」という価値を提供する際、いかに世界のキャリアと仕様を決めておくのが重要かということを今回の通信障害が教えてくれた。
「IoT」「仮想化」「グローバル」。まさに5G時代、さらに6Gに向けて通信業界が多用するワードが飛び出したのが、今回の謝罪説明会であった。
5GがSAとなり、ネットワークスライシングが導入されれば、IoT機器が暴走し始めても、人間が使う通信に影響を及ぼすことはなくなるものなのか。今後、デジタルトランスフォーメーションにより、IoT機器がさらに増えていく中、今回の通信障害は通信業界関係者に様々な示唆を与えたのではないか。
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