中国とロシアが金正恩に激怒。ミサイル連射で一線を超えた北朝鮮の哀れな末路

smd20211022
 

9月11日に突如長距離巡航ミサイルを打ち上げるや、その後も国際社会の非難をよそにミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮。その狙いについては様々な分析がなされていますが、国連の調停官として世界各地の紛争を収めてきた経験を持つ専門家は、金正恩総書記の思惑をどう読んでいるのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では、著者で各国に独自の情報網を持つ島田久仁彦さんが、考えうる3つのパターンを挙げそれぞれについて詳細に解説。さらに、もし北朝鮮が今回も「瀬戸際外交」を企んでいるとしても、国際社会が見せる反応はこれまで通りでは済まないとの見解を記しています。

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再起動? 瀬戸際外交? 北朝鮮のミサイル実験連発が意味すること

米中対立の激化。ミャンマーで起こったクーデター。アフガニスタンにおけるカブール陥落とタリバンの復権。きな臭さを増す台湾海峡。中ロの戦略的接近。エチオピア情勢の緊迫化。

それらの国際情勢に世界が注視している間、北朝鮮情勢はいろいろな意味で意図的に無視されていました。

その理由は「特に何も目立ったことが起きなかったから」ともいえますが、その背後には「国内でのコロナ感染拡大を受け、中国との国境を閉鎖したことで情報のフローも止まった」ことと、北朝鮮情勢をクローズアップすることで国際情勢の舞台に上がろうと目論んできた韓国と文大統領が、実質的に国際社会から“追放”され(相手にされなくなり)、北朝鮮絡みの動きが停止したことがあるでしょう。

そこにバイデン政権が取る“戦略的忍耐”(実質的には戦略的無視)方針により、より北朝鮮問題が国際案件の第一線に出ることはありませんでした。

日本のメディア、特に情報番組においては、時折、金正恩氏の動向や、その妹の与正氏の動向や発言、エピソードなどが紹介されていましたし、遅々として進まない拉致問題が、自民党総裁選前のトピックスとして持ち出されていましたが、実際には、国際政治のフロントラインに北朝鮮は存在しないのが2021年の前半だったと言えます。

その典型例が、9月に開催されていた国連の年次総会においてリーダーレベルで話し合われるべき最重要案件に、今年は常連の北朝鮮情勢(ミサイル、核開発、人権侵害など)が含まれないという、とても珍しい事態が起きました。

それに焦ったからかどうかは分かりませんが、その頃から北朝鮮の動きが活発化しだします。

最近のSLBMの発射実験や列車からの弾道ミサイル発射実験、真偽のほどは分かりませんが、極超音速ミサイルを開発し、その発射実験に成功したというエピソード、そしてテレビ画面を通じて並べられる様々なミサイルたちの映像の公開は、その例でしょう。

さらに、北朝鮮側からの発表やリークではないのですが、また寧辺の核施設が再稼働した兆候がアメリカなどの衛星で確認され、さらにはIAEAの最新報告書でも、再稼働の痕跡があるとの報告が出されました。

情報にも幅がありますが、「濃縮ウランの製造が加速した」という内容もあれば、「十数発相当分の核弾頭を有する」との内容もあります。

ミサイル技術が著しく向上し、核開発も再開していたとしたら、おそらく核弾頭の小型化も相当進んでいる可能性が高いと分析されています。

それが何を意味し、どうして北朝鮮はこの時期に、国際社会から圧力をかけられる核開発の痕跡をチラ見せし、多種多様な弾道ミサイルの発射実験をおこなったのでしょうか?

その理由は何通りか考えることが出来ます。

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