みんな知っている、意外な『ガロ』出身マンガ家は?
実験的な漫画や他の雑誌では載らないような個性的すぎる漫画ばかりを掲載してきた『ガロ』は、いつしか「ガロにでも持っていけば?」と有名出版社の編集者が持ち込み作品を断る際に例として挙げるほど、「個性的すぎる漫画雑誌」の代名詞として、その名前がよく知られていた。
そんな、個性的な漫画ばかりを載せていた『ガロ』がデビューという、意外な漫画家たちをご紹介しよう。
- 蛭子能収(バスの旅でおなじみタレント・漫画家のエビスさん、デビュー作「パチンコ」1973年)
- みうらじゅん(「ゆるキャラ」の名付け親のイラストレーターなど。デビュー作「うしの日」1980年)
- 矢口高雄(「釣りキチ三平」作者、デビュー作「長持唄考」1969年)
- 久住昌之(「孤独のグルメ」原作者。漫画家・泉晴紀と組んだ「泉昌之」名義、デビュー作「夜行」1981年)
- 森下裕美(ゴマちゃんでおなじみ「少年アシベ」作者。デビュー作「少年」1982年)
- 古屋兎丸(人気マンガ「帝一の國」作者。デビュー作「Palepoli」1994年)
- 佐々木マキ(絵本「やっぱりオオカミ」、村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」などの表紙絵で知られる絵本作家。デビュー作「よくあるはなし」1966年)
- 林静一(ロッテCM「小梅ちゃん」、はっぴいえんど『ゆでめん』ジャケ絵、漫画「赤色エレジー」で知られる漫画家。デビュー作「アグマと息子と食えない魂」1967年)
- 杉浦日向子(NHK「お江戸でござる」解説などで知られた江戸風俗研究家、漫画家(2005年他界)。デビュー作「通言・室之梅」1980年)
この他、花くまゆうさく、東陽片岡、ひさうちみちお、逆柱いみり、本秀康など、「ガロ」からプロデビューした漫画家やイラストレーターは枚挙にいとまがない。これだけの個性的な作家をデビューさせた『月刊漫画ガロ』は現在休刊となっているが、その精神は当時の編集者たちが立ち上げた出版社「青林工藝舎」による新たな漫画雑誌『マンガの鬼 アックス』(青林工藝舎刊、隔月刊)に継承され、現在に至っている。
すべては稀代の漫画家・白土三平さんの「カムイ伝」から始まった、「ガロ」系漫画の歴史。あらためて、白土三平さんに哀悼の意を表します。
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