お年玉をくれた人に感謝の手紙
同じ学年の子どもでも親からもらうお年玉の額は千差万別だ。3,000円以下の子もいれば、何万円ももらっている子もいる。高額のお年玉を渡すことはよくないと思うが、それぞれの家庭の事情があるのだろう。
冬休み明けのクラスでは、お年玉の額でいつも大騒ぎになる。お互いにいくらもらったと言い合っている。わたしは教師時代、そういう話が始まるといつも制止していた。
たくさんもらった子は自慢したいだろうが、それより額の少ない子やもらわない子もいるだろう。そういう友だちがどんな気持ちになるか想像できなければいけない。
低学年に対してもわたしは世の中には言うべきではないことがあると理由を話して教えた。そういう振る舞いが思いやりにつながる。
たくさんもらったからといって、それは自分の努力とは何も関係ない。親御さんはお年玉を渡した後、そのことを子どもに伝えて、学校で金額の話などしないように教えてあげてほしい。
お年玉はいくらもらったかより、どう使ったかの方が大切だ。
買いたい物があれば、いくら銀行に預けて、残りのいくらで買い物をするのか親と子どもが相談する。買った後は、お年玉をくれたおじいちゃんやおばあちゃんなどにお礼の手紙を送ることが大切だ。買った品物の写真を撮って添付すれば、さらに喜ばれる。
おカネに感謝するだけでなく、おカネをくれた相手や、その気持ちに感謝し、その感謝をちゃんと伝える。こうした気持ちや振る舞いがおカネを本当に生かすことになる。
初出「親力養成講座」日経BP 2007年12月27日
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