定額小遣い制は計画性を養う
お小遣いとして最初から大きな額を渡すとコントロールできなくなるので、1日あるいは1週間単位で渡すとよい。そうすると、子どもは欲しいものを買うためにおカネをためるなど計画性が必要となる。
つまり、何を優先し、何をがまんするかを訓練するわけだ。欲望を抑え、がまんすることは大人になって必須の能力だ。
計画性を養うためにもお小遣い帳をつけた方がいいだろう。何をこれまで買ったのかという記録になるし、「こんなものを買っておカネを使っちゃったのか」という反省材料や、来月何を買うのかという予定表にもなる。
こうした定額制のお小遣いによる金銭教育を壊してしまうのが、おじいちゃん・おばあちゃん、あるいは親戚による臨時のお小遣いやお年玉だ。
1円単位で管理していたのに、いきなり数千円や何万円ももらったら、せっかく身につけ始めた金銭感覚が狂ってしまう。
そのため、臨時収入はお小遣いとは別に「特別会計」で処理する。すぐに使う予定がなければ、銀行や郵便局に預ける。ただし、親が取り上げて、「預けておいたよ」ではいけない。
子どもにとって何の勉強にもならないし、銀行に預けるということが実はよく分かっていない。だから、子どもといっしょに金融機関に行き、本人に名前を書かせて判子を押させ、子どもの名義で口座を開き、通帳を作っておカネを預ける経験をさせることが重要だ。
既に子ども名義の通帳があるのなら、ATMから入金する手続きを手伝ってあげる。すると、通帳の金額が増えているのが分かる。目に見える形にすることが大切だ。