2つ目は、これとは別に「東京のローカル」というコミュニティが脆弱だということです。10センチの降雪だったら、チェーン規制はどうなるべきか、商店街や町内会は歩行者の転倒防止のために除雪をどう進めるのか、組織だって対応するだけの「コミュニティ」というのがほとんど成立していないのです。
その原因は、昭和の非効率な「事務仕事」を抱えた人口が長時間労働に束縛されて、地域社会への参加が不可能な中で、地元コミュニティーは商店など自営業者という少数派が代行していて、そのグループが高齢化して動きが鈍くなっているということがると思われます。
東京での僅かな降雪が大災害になってしまう背景には、とにかく東京という地域では、コミュニティの結束と機能が脆弱となり、バラバラの孤立した個人が危険に晒されているわけです。今回の災害は、そのことも示しているように思います。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2022年1月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
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