自分の目標は他人が決める。日産が奇跡のV字回復をした「タニモク」とは

 

今日は、その中の一番のエッセンスを説明します。まず、会議においてポイントは3つです。

会議のポイント①

会議をやる時、解決策のアイデアを出してもらうのに、アイデアを出せそうなふだんとはちょっと遠い部の人に集まってもらう。

近い人は煮詰まっていて、なかなかブレイクスルーが出ないから悩んでいることがある。むしろ多様な人たちが集まったほうがいいから、少し遠い人が集まる。

会議のポイント②

途中で発議者がいなくなる。

本人が「今回の課題ってこういうことなんだよ」って説明をして、ちょっと本人とは遠いメンバーの人たちから前提条件を聞いたら、「じゃあ、俺いなくなるから。みんなからのアイデアが出る2時間くらいは帰ってこないね。何かあったら呼んでね!」と言っていなくなる。

そうすることによって、残りのメンバーは「俺だったらこうする!」「俺だったらこういうことまでやっちゃっていいんじゃないの?」というふうに、本人に遠慮せずに自分の視野から見た問題を照らすことができる。自分の観点からしか見えていなかった問題を、いろいろな角度から見てみることで意外な解決策が出る。

会議のポイント③

アイデアが出たら、「やったときにインパクトが出そうか?実際に実行しやすいか?」というところでプロットをしていく。だいたいの優先順位ができたところで、初めて発議した人に戻ってきてもらう。

本人からすると「なるほど、みんなこういうふうに思ってくれてるんだ」という話になるし、みんなが一番インパクトがあって、やりやすいと言っていることも「ごめん、これは取引先のこういう事情があって、やりづらいんだよね」という話になったりする。

一つひとつのアイデアを当事者が実行するってなったときに、「こっちの観点からやればできるんじゃない?」というかたちで「どうやれば当事者の呪いが外れて、より実行に向かうか?」を、インパクトが高い順から話していく。

そうすることで、「わかった。俺頑張ってこれやる!その代わり、ここってお前のアイデアが大事だから協力してくれる?」みたいにコミットができる。場合によっては「これ、どうしても無理だから外すわ」みたいなことをやっていくことで、本人の視野から外れたものもアイデアとして取り組む。その中で、協力者を見つけながらやっていく。

というのが、日産の驚異の会議方式のおもしろいところなんです。これ、リアルの場でやるとすごく有効なんですけど、ぜひおすすめしたいのが「タニモク」です。

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