学生時代にコミュ力の高かった人が社会に出てしくじりがちなワケ

 

2種類のコミュ力の違いと、その使い方

学生と社会人のコミュニケーション能力は何が違うのでしょうか?

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学生時代のコミュニケーション能力…まったく同じような同質性の高い仲間の中で話が盛り上がること

社会人のコミュニケーション能力…異質な人とたくさん出会う中で、異質な人とコミュニケーションをしていくこと

これが、同じコミュ力が高いと言っても全然違うという話です。

つまり、高校って過ごしている時間が圧倒的に長いし、高校時代までって(今はネットがあるのでだいぶ変わってきていますが)外の人とはあまり付き合わないで、同じような環境の中で過ごす時間が長いわけですよね。だからその中でコミュニケーション能力が高いというのは、みんなが共有していることをすべて知っていてそこをいじれることや、「それってあるよね」ってことを前提条件として先回りできることです。同じことを知っているから、そこをずらせる。そこを知った上で一歩先を行けることが、コミュニケーション能力が高いことになるわけですよ。

学生時代によくある話としては、先生のクセの話とか「仲間がこういうことをやったよね」みたいな話です。こういうことは、“同じようなことを見て同じようなことを考える仲間の中から起こること”へのコミュニケーション能力の高さです。

社会人になると圧倒的に変わるのが、今まで前提や背景をまったく共有していなかった人と出会いコミュニケーションをしていくことです。その際のコミュニケーションにおいて大事なことは、自分の前提条件を相手に押し付けないことなんですよね。しゃべっている時に相手がどこまでわかっていて、どこからがわかっていないかを探りながら話す。そして前提条件がわかっていない人には、わかりやすく説明したり相手がわかっている前提条件の話に振っていったりします。

前提条件がわかっていないことを話すと、たくさん説明しなきゃいけないから会話が遅くなります。なので、共通の前提条件を持っているところに関しては会話のテンポを上げて加速していく。相手の前提条件が違うところがわかったらテンポをゆっくりにし、さりげなく自分の持っている知識を共有しながら進めていく。このアクセルとブレーキを調整してやっていく必要性があるわけです。

こういった能力は、今の教育制度で同質性の高いものの中で正解主義と言われるテストの○×だけをやっていると、見えなくなってしまいます。同質の中で盛り上がる力には突き抜ける力(オタク力)があって、これはこれでめちゃくちゃ大事ですが、異質な人と会話をする時にはオタク力がどこまでうまくいくのかを探りながら、横を広くしていく。

同質に対するコミュ力の高さと異質に対するコミュ力の高さは別次元なので、「自分はどちらがどう強いんだろう?」と考えながら、自分の強みを活かすようにコミュニケーションをしていく。「相手の同質性に対するコミュ力の高さと異質性に対するコミュ力の高さはどんな感じなのか?」を考えていると、相手に対してもやさしくなれるということなんですよね。

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