突然「家なき子状態」も。洒落にならないドイツの賃貸住宅事情

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古くからのことわざに「所変われば品変わる」とありますが、当然ながら住居契約をめぐる環境も日本と外国とでは異なる部分が多いようです。今回のメルマガ『Taku Yamaneのイェーデン・ターク』では著者で長くドイツに暮らすTaku Yamaneさんが、現地の賃貸住宅事情を紹介。危うく「家なき子」になりかけた自身の経験と、ドイツの難しい引っ越し戦線を真摯な筆致で綴っています。

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突如訪れたピンチ

いつもご愛読ありがとうございます。

本来なら今回はウィーン編をお送りする予定だったのですが、予期せぬピンチが訪れたので記します。

結果的に言うと、またまた引っ越しをしなければいけなくなりました。ドイツには賃貸契約を結ぶのに、期間限定契約と無期限契約というのがあります。で、今回の賃貸契約は契約期間が設定されていまして、それが今年の3月末ということになります。とはいえ契約なんて延長すれば良い話ですし、現に前の住まいでは2回延長していました。まあ特に大きな問題も起きていませんでしたし、更新できると考えていましたがこれが甘かったようです。

先日、大家から契約を更新しない旨、伝えられました。僕にとってもこれは晴天の霹靂で、またドイツの難しい引っ越し戦線に乗り出さなくてはなりません。

コンクールも2月末にありますし、それに向けて集中しようとしていた矢先のこの仕打ちに、心が折れかけました。

ただこの事態から逃げることはできません。放っておけばただの家無しになるだけです。その日の内に引っ越し用のサイトを開き、片っ端からメールを送りまくりました。今の時期は偶然にも供給の多い時期で、早速「内見に来ないか」との返信があり、次の日に内見に行きました。

迎えてくれたのはドイツ人の40代男性。引っ越しすれば彼と二人暮らしということになります。人当たりも悪くなく、次の契約は無期限契約となるため、引っ越しすれば今回のようにいきなり有無を言わせず契約を切られるということはなさそうです。

ただし、家を早く決めるというのはそれなりの問題があります。現在の家の契約が3月末まで。そして新しい家の契約は遅くとも1月の中旬から始めないといけません。つまり、2か月半分二重に賃貸契約をする必要があるということです。新しい家の大家に、もう少し契約開始を後にしてくれないかと相談しましたが、ここは譲れないとのこと。何度も言いますが需要過多のドイツにおいて、大家の言うことは半ば絶対です。ここで交渉したところで、じゃあ別の人を探しますと言われて終わりです。こちらに選択肢なんてほとんどないのです。

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