先程書いたように、値下げはブランド価値を、棄損しかねない。しかし「期間限定」とうたっておけば、一時的なものだと認識される。
さらに、値下げした分のマージンの減少は、テストマーケティングの結果を生かす、という意味での投資と捉えることができる。
単純な比較はできないが、オリジン弁当の唐揚げ弁当は税込486円、ほっかほっか亭は唐揚げが1つ多い5個入りで、税込540円、コンビニ大手3社も似たような価格帯だ。
このようなほぼ横並びの価格帯の中で、安く売った場合、販売量は増えるのか減るのか?また減らしたマージン分を回収できるくらいの、増額になるのか?と考えてのテストということが考えられる。
このほっともっとの事例から学べることは、環境の変化に敏感であるべきこと。
業界内の競争のみでなく、異業種からの参入や、代替品も考えると、今は順調でも、先が読めなくなる。
スピード持って変化に対応できる、「組織としての姿勢でいる」ことが重要だ。
もう1点は、テストマーケティング的な発想が、できるかどうか、だ。
「値決めは経営だ」という有名な言葉があるくらい、価格戦略は重要だ。
数値的、統計的なアプローチを使い、理にかなった手法で計算しても、不確定な要素が多いため、多くの場合は計画通りに行かない。
かといって、慎重になりすぎて、動かないと、商機を逃してしまう。
なので、このテストマーケティングのように、理にかなったことを素早く決断し、ここでもスピード持ってPDCAを回せる、柔軟な組織力が必要だ。
その意味でも、気づきの多い事例だった。
毎号「情報の何に気づくべきか?」という勘どころを解説する理央 周さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
image by: yu_photo / Shutterstock.com