2022年「大地震の3大危険エリア」とは? 地震予測の権威に聞く最新兆候と防災のポイント

shutterstock_494020828
 

東北地方を中心に甚大な被害をもたらし、今なお2,500名余りの方が行方不明となっている東日本大震災。マグニチュード(M)9.0という未曾有の大地震から今年で11年、その間、独自の方法で地震予測を行い、M6クラス以上の地震を70%の確率で的中する技術を確立したのが、メルマガ『週刊MEGA地震予測』の発行者である、「JESEA(ジェシア) 地震科学探査機構」(会長・村井俊治東大名誉教授)です。今回は「地震予測のプロ」であるJESEAが、今もっとも大規模地震を警戒すべき3つの地域を公表。さらに地震発生時の防災ポイントやグッズの選び方についてもレクチャーします。

まぐまぐ!有料読者数No.1 月220円で毎週最新の予測とコラムが届くメルマガ 『週刊MEGA地震予測』はコチラ。初月無料でお試し購読いただけます!

 

毎年3月11日に思い出す「11年前の前兆」

あの日、どこにいて、何をしていたのかよく覚えている。

11年も前のことだが、あの日の出来事は分刻みで鮮明に思い出される。

その時はまだJESEA(ジェシア)地震科学探査機構という会社は存在していなかった。

東日本大震災の翌々年の2013年1月17日に設立した会社だが、きっかけは東日本大震災であった。

JESEAの会長を務める村井俊治東京大学名誉教授は、当時のことをこう振り返る。

「震災のひと月ほど前から、東北地方の地表が異常な動きをしていたことに私は気づいていました。とくに5週間前には、牡鹿半島付近で通常から乖離した前兆現象が観測されていたのです。更に3月11日の半年も前から太平洋側の地盤が沈降していきその沈降は全国レベルになっていきました。これは数か月以内に大きな地震が発生するに違いないと思っていたのです。しかし、当時はそれを公表するすべを持っていなかった。その結果、公表できぬままあの巨大地震が起きてしまったのです。大きな犠牲が出たことに科学者として後悔の念に駆られました。もう二度とこんな思いはしたくないと思っていた時、橘田寿宏氏と谷川俊彦氏に出会い、それから僅か3ヶ月で地震科学探査機構を作ったのです」

JESEAの地震予測は10年目に入った。この間、様々な研究を重ね、これまで7件の特許を取得できた。その内、地震予測方法に関する特許は5件である。

中国の大学で地震予測の研究を行っていた郭広猛教授もスタッフに加わり、彼が開発した新しい方法も加えてより正確な予測が可能となってきた。

現在のJESEAは、それらを組み合わせ、マグニチュード6クラス以上の地震を1か月以内に予測する技術を確立することができた。その的中率は約70%となっている。

まぐまぐ!有料読者数No.1 月220円で毎週最新の予測とコラムが届くメルマガ 『週刊MEGA地震予測』はコチラ。初月無料でお試し購読いただけます!

 

いま、大地震を警戒すべき3つの地域

最近の日本列島の地殻変動情報

  1. 2022年1月下旬から2月上旬にかけて、地殻変動(高さ方向の変動や水平変動)は特に静穏な状態だった。
  2. 2022年2月の震度3以上の地震は9回発生した(そのうち、震度4以上は1回)。通常と比べると少ない回数で、地震も静穏な状態であった。経験則から、大きな地震の前には静穏状態になることがある。

その状況と地殻変動の概況を踏まえたうえで、いま、警戒すべき3地域を記す。

第1位 東北地方

東北地方の太平洋側は東日本大震災以降、地震の常襲地域となっている。

しかし、東北沖などで起きる地震の発生数が、震災前の2001~10年間の年平均にかなり近づくまで減ったこともあり、2021年4月1日に気象庁は東北沖などで地震が起きた時に、「東日本大震災の余震」という表現の発表を取りやめた。

それまで、この10年間は「東日本大震災の余震」と呼ばれる地震が多発していたわけだ。

一方、2021年1年間に発生した震度5弱以上の地震は10回あったが、そのうち4件が東北地方の太平洋側で発生しており、その他の6件が他の地域(千葉、山梨、石川、和歌山、紀伊水道、トカラ列島)で発生した状況を見ても、やはり、東北地方は地震の多発地域と言える。

jsa20220308-1

さて、それではなぜ東北地方の太平洋側は東日本大震災以降、地震の常襲地域となっていたのか。

仮説ではあるが、東日本大震災以降の地殻変動に原因の一つがあると思われる。

東北地方の太平洋側は東日本大震災で大きく沈降し、その後は隆起を続けている。

各県の中でも観測点により大きな差があるが、東日本大震災以降の約10年間で

  • 宮城県は平均32.6cm隆起
  • 岩手県は平均15.6cm隆起
  • 福島県は平均15.2cm隆起

している。

よって各県の隆起の値と速度は大きく異なり、その差からひずみが溜まっていると解釈でき地震が多く発生すると考えられる。

また、東北地方の日本海側は東日本大震災で山形県は沈降しその後も沈降している。秋田県は奥羽山脈側は沈降し、日本海側は隆起した。

最新の隆起沈降図を見ると、ここ2年間でもやはり東北地方の日本海側は沈降しており、太平洋側は隆起している。

その間の奥羽山脈周辺にはひずみが溜まっていると解釈できる。

3次元の地殻変動をダイナミックAIで解析すると東北地方はずっと危険度ランキングが上位であり、警戒すべき地域である。

jsa20220308-2

最新の隆起沈降図

第2位 九州地方

ここ最近の1番の変化は九州北部に現れている。

ダイナミックAI解析でも九州北部は危険度ランキングが最近上昇している。

ランキング上昇後、気象庁が2月24日に阿蘇中岳を噴火警戒レベル3に引き上げた事実もある。

また、九州南部は最近までピンポイント予測を発出していた地域だ。

九州は、隆起と沈降が混在しているので、ひずみが溜まっている可能性がある。

最近の静穏状態になる前は地殻変動も多発しており、警戒すべき地域である。

第3位 北信越地方

ダイナミックAI解析では北信越地方は東北地方に次いでずっと危険度ランキングが上位である。

昨年9月以降度々フォッサマグナの西側に沿って短期的な高さの異常変動が現れていた。また、このエリアはここ数か月沈降傾向にある。急激に沈降するエリアも現れている。沈降は地震につながるケースがあるので注意を怠らないでほしい。

また、最近、水平変動も活発であり、その変動の方向が周辺の向きとは異なるエリアが存在し、非常に不安定でひずみが溜まっている可能性がある。

高さ方向も水平方向も異常変動が多く、警戒すべき地域である。

今回は、地殻変動の概況から注意すべき3地域を挙げたが、現在JESEAではおよそ10種類の方法でデータ分析し、地震予測を行っている。地殻変動は中長期的な指標に利用し、その他のデータは短期的な指標として利用している。データは日々刻々と変化しているので最新情報は「週刊MEGA地震予測」をご覧いただきたい。

まぐまぐ!有料読者数No.1 月220円で毎週最新の予測とコラムが届くメルマガ 『週刊MEGA地震予測』はコチラ。初月無料でお試し購読いただけます!

 

予測と防災の二段構えで地震対策を

今回は、実際に地震が発生したときの「防災のポイント」についてもいくつか紹介する。防災の基本は「普段の生活から備える」ことである。防災グッズを選ぶときにも、避難経路を検討する際にも大切な考え方だ。

防災グッズの選び方

非常用防災袋(持出袋)に入れるものは、つい「非常用」という観点で選んでしまいがちだが、実は「普段使っているもの・使い慣れているもの」を非常時にも持ち出せた方がよい。何故なら、使い慣れない防災グッズは緊急時にうまく動作しなかったり、長く使っていなかったせいで電源がつかなかったり、操作方法がわからなくなる可能性があるからだ。

そのため、普段使っているものを少しずつ「被災時にも使えるタイプ」へと変えていくことが望ましい。たとえば、持ち運べるタイプのスマートフォン充電器を大容量のものにする、他の電子機器も充電できるタイプに変えてみる。食料についても、普段食べ慣れていて賞味期限の長いものを多めに購入し、保存しておくと、いざという時の不安が軽減される。

防災対策のポイント

避難経路の選択などの防災対策についても「普段から備える」ことが大切だ。まずは緊急時に家族や職場と連絡をとる方法を決めておく。スマートフォンや携帯電話が使えない状況でも安否を確認する手順を整えておくことが重要である。

また、見落としがちなのが「避難経路」だ。大地震が発生した場合、主要な道路が通行不能になることがある。緊急車両の通行を優先するため、一般車が利用できなくなる場合があるのだ。仮に通行できる道だったとしても、立ち往生した車や倒壊した家屋などの影響で普段通り通行できるとは限らない。そのため、普段から「この道は崖に近いから緊急時は使えない」「この道はブロック塀が多いので地震の時には通らない」等、前もって安全な道や脱出経路を検討しておくことが重要だ。

これまでに紹介した通り、防災に対する備えには様々なものがあるが、中でも「情報」は重要である。特に地震に繋がる可能性のある地殻変動の情報については。複数の科学的手法で捕捉した前兆情報を「週刊MEGA地震予測」で毎週配信している。防災対策の一環として、ぜひ参考にしてほしい。

まぐまぐ!有料読者数No.1 月220円で毎週最新の予測とコラムが届くメルマガ 『週刊MEGA地震予測』はコチラ。初月無料でお試し購読いただけます!

 

image by: Shutterstock.com

JESEA(地震科学探査機構)この著者の記事一覧

フジテレビ「Mr,サンデー」「週刊ポスト」など数多くのメディアで取り上げられ、話題沸騰中のメルマガ「週刊MEGA地震予測(メガ地震予測)」はこちら!
東日本大震災以降、地震予知・予測の必要性が問われています。JESEAジェシア(地震科学探査機構)は、測量工学的アプローチで地震の前兆現象を捉え地震を予測します。東京大学名誉教授の村井俊治先生の研究技術により、国土地理院が設置した全国1300か所の電子基準点のデータを解析し、過去の地震の震源、震度、マグニチュード、被害の程度などとの相関分析を行い、地震の前兆現象を捉え地震予測を提供しています。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 週刊MEGA地震予測 』

【著者】 JESEA(地震科学探査機構) 【月額】 ¥220/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

print

  • 2022年「大地震の3大危険エリア」とは? 地震予測の権威に聞く最新兆候と防災のポイント
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け