京大教授が危惧。日銀の新審議委員・高田創氏が日本経済に悪夢をもたらす

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対話を重視しバランス感覚を大切にする岸田首相ですが、今回の日銀人事に関してはその姿勢が「凶」と出てしまったようです。今回のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』では京都大学大学院教授の藤井聡さんが、日銀の新審議委員に岡三証券の高田創氏を選定した首相に対して「心底失望した」との率直な心情を吐露。その上で高田氏がいかに審議委員に不向きかについて、彼の発言を引きつつ解説しています。

(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2022年3月12日配信分の一部抜粋です)

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岸田総理が選定した新・日銀審議委員「高田創」氏は、「日本経済に悪夢」をもたらす

日本銀行の審議委員というのは、日銀の政策を決定付ける大変に重要な役職で、「6人」が選定されています。

その任期は5年間なのですが、先日、積極的な金融緩和の必要性を主張され、かつ、消費増税に否定的な見解をお持ちであったエコノミストの片岡剛士氏が任期切れで退任されることになりました。

ついては、その後の審議委員が誰になるのか、関係者は皆大いに注目していたのですが……「岸田政権」によって選定されたのが、岡三証券エコノミスト高田創氏でした。

当方、この人事を見て、心底、岸田総理に失望いたしました。

何と言っても高田氏は、「国債暴落」という本をアベノミクスが始められた2013年に出版しており、「こんな金融緩和続けてたら、そのうちヤバイことが起こって、日本政府は破綻しちゃう事になるぞ!」と、煽っておられた人物のお一人だったからです。

そもそも、積極財政派と呼ばれる方々は、「金融政策」よりも「財政政策」の方が重要であると認識しており、したがって日銀審議委員の人事にはさして興味関心を示さない、という傾きがあります。

当方もどちらかといえば金融政策よりも財政政策こそが重要であると認識している論者の一人ではありますが……さすがに今回のこの高田氏選定人事だけは、「いくら何でも岸田さん、そりゃ滅茶苦茶じゃないですか……」と、あきれかえってしまうような代物だったわけです。

はっきり言って、高田氏の様な方が日銀の政策を決定する様になれば、日本経済が再生され、勢いのあった20世紀のような明るい時代が再び日本に訪れる───なんていう未来はもう訪れなくなるだろう、と予期されるような方なのです。

高田氏のどこが、そんなにヤバイ人材なのか……以下、その点を解説いたしたいと思います。

まず第一に申し上げないといけないのは、政府における一般的評価では、高田氏はそんなにヤバイ奴だとは認識されていない、という点です。

高田氏は、「リフレ派や積極財政派と呼ばれるグループ」とも違うし、「超緊縮派」(あるいは、財政タカ派)と呼ばれる方々とも違っていて、ちょうど両者の中間的なバランスある人材だ、思われている様なのです。

ですから、今回の人事は折衷案的な人材をお好みになる岸田さんならではの人事だと言うこともできるのですが───彼の発言を検証してみると、決してバランスある人材などではない、相当にヤバイ奴だ、という真実が見えてくるのです。

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