中ロ分断は?
昔からの読者さんは、ご存知です。私は、日ロ関係について、
- プーチンは、北方領土を返す気が全然ない
- しかし、中国に勝つためには、中ロを分断した方がいい
- だからロシアと友好関係を発展させ、中ロを分断しよう
と大昔から主張してきました。
ちなみに、「中ロを分断するために、日本はロシアと仲良くした方がいい」といっているのは、私だけではありません。世界一の戦略家ルトワックさんも、リアリストの神ミアシャイマーさんもいっています。
しかし、ルトワックさんが常々いっているように、戦争はすべてを変えます。ウクライナ侵攻でプーチンは、「現代のヒトラー」を呼ばれるようになりました。世界中で、プーチンの写真に、ヒトラー風のヒゲと髪の毛が描かれている写真を掲げ、大勢の人が(ヒトラーとプーチンを合わせて)「プトラーを止めろ!」と行進しています。
ヒトラーと同じ過ちを犯したプーチンに明るい未来はない。ウクライナとの戦闘に勝っても負けても、【戦略的敗北】は決定済みです。そんな時に、岸田さんが、「北方領土交渉が停止されると困るから、プーチンに歩み寄ろう」と考えたらどうなるでしょうか?
1939年、第2次大戦がはじまったとき、日本は、ナチスドイツの同盟国ではありませんでした。しかし、翌1940年、日本は愚かにも、ナチスドイツ、ファシズムイタリアの軍事同盟国になったのです。
今回、岸田さんがロシアに寄り添えば?すでにロシアに寄り添っている中国と共に、日中ロ三国同盟になってしまうでしょう?これは、「完全敗北への道」です。
だから、岸田さんは、ロシア外務省の発表に一喜一憂する必要はないのです。今までどおり、欧米と歩調を合わせ、強い態度を維持して欲しいと思います。それが、日本の国益、日本が勝利する道です。
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2022年3月22日号より一部抜粋)
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