これに対してウクライナ、ゼレンスキー大統領は以下のように述べています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、このロシア軍高官の発言に反応して、平和のために自国の領土を手放すことには同意しない、と明確に述べた。
「ウクライナの領土保全は保証されるべきである」と、夜間の国民向けビデオ演説で述べた。
解説
東部ドンバス地域に限定しても手放すことはない、という発言です。
ロシアとの妥協を拒否したかのように見えますが、ゼレンスキー大統領がファイティングポーズをくずさないのは当然です。戦争の当事者だからです。
彼はファイティングポーズをとり続けるべきであり、両者を仲介するのが、西側、特に米国バイデン大統領の役割になります。
ところが、このバイデン大統領の発言が不穏です。
プーチン大統領を「戦争犯罪人」と名指して、周りから止められたりしています。この戦争犯罪人という言葉は相当に重い言葉で、仲介者の役割を自ら放棄するような発言です。
「プーチンは権力の座に居続けるべきではない」ともバイデン大統領は発言しています。
最初に東部ドノバン侵攻を容認したりしたのもそうですが、このあたりの現状認識と交渉感覚は鈍いようです。
戦争の出口、今後の展開
今、ロシアのエネルギー資源を大量に買えるのは中国だけであり、習近平氏はプーチン大統領に大きな発言権を持ちます。
習近平氏は第三者的な立場から強力な仲介者になれるのです。
万が一にでも中国の習近平氏が仲介にたってこの戦争が終わることになれば、新しい世界秩序における中国の役割はますます大きくなります。
新しい世界秩序をどの国がつくるのかという問題が視野に入ってきています。(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』3月27日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)
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