経済大国となったと言われる中国ですが、実はその内情はそんなこともないんだとか。なぜなら、中国が発表するデータは嘘だらけという実情があるようです。そこで今回は、メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』の中で、謎に包まれた中国の内情について元中国人である石平氏と元内閣官房参与の高橋洋一氏が語ります。
【一日一冊】天国と地獄に向かう世界
石平、高橋洋一 著/ビジネス社
中国関係では圧倒的情報を持つ石さんと、元財務官僚で内閣官房参与(当時)の高橋さんが中国と習近平について分析する一冊です。当時高橋さんは内閣官房参与ですから情報についてはレベルの高いものがインプットされていたはずです。中国は台湾進攻の準備をしていますが、オーストラリア、インドを敵に回すなど、中国の失敗に助けられているとしています。
この本が出版された2020年当時は、香港の一国二制度を反故にし、香港国家安全維持法を施行してイギリスの面子を潰し、香港という金融センターを習近平は殺しています。
また、オーストラリアでは浸透工作をやりすぎて、中国へ港湾を貸与する契約を破棄できる法律を作られるなど、中国包囲網が構築されつつある段階でした。
インドでも中国・インド国境で両軍が衝突しインド兵士が20人死亡という報道もあり、結局、インドは上海協力機構のメンバーでありながら、Quadに参加することになったのです。
2020年6月、中印国境の係争地域で中印両軍が衝突、インド兵士20名が死亡した…中国は比較的関係の良かったインドまでも敵に回して、結果的に、インドをQuad同盟に参加させるという事態を招いた(石)(p29)
石さんは、これらはすべて習近平の方針による失敗であり、中国は孤立化しており、私たちは習近平に感謝しなくてはならないと嫌味を言っています。