武田邦彦教授が明かす、日本だけは二酸化炭素を出してもいいワケ

 

日本は漁業国でもある。日本人はサカナが好きで、寿司のような新鮮でおいしい食事もある海洋国家だ。それに、すでに広く知られているように、海洋に溶けた二酸化炭素を植物性プランクトンが食べ、それを動物性プランクトンが食べ、小魚に移り、最終的にはタイやアジとなって食卓に並ぶ

世界的にはマグロをはじめとして魚が不足してくることも予想されている。資源というのは石油や石炭ばかりではない。数億年前に死亡して石油になった動物を、それこそリサイクルして二酸化炭素として漁獲量を増やせるのだから、地球環境的にも大いに二酸化炭素を出した方がよいのだ。

もちろん、もう少し踏み込めば、2000年ぐらい前から地球は500年から600年周期で暑くなったり寒くなったりを繰り返している。

多くの人が学校で習うように「ゲルマン民族の大移動」は紀元400年ぐらいの寒冷期の出来事であり、次に西暦1000年ぐらいの温暖期には、ヨーロッパの北の海が開けてノルマン、バイキングというような人たちが海に漕ぎ出した時期であり、日本でも平安時代の温暖期にあたっている。

さらに近代では小氷河期と言われた1600年から現在は回復期にあり、現在の温暖化があと200年ほど続くのは当然だ。

つまり、現在の温暖化は普通の歴史的な流れの中にあり、まだ平安時代の気温になるのに200年ぐらいかかるのだから、その間に日本に火力発電所を作り、海洋に鉄などの不足している元素を供給して、世界のエネルギーを安定させ、漁獲量を増やすのに力を注ぐべきだろう。

本当に地球のためなのか。政治家たちが温暖化を問題視するワケ

それでは、なぜ多くの政治家や知識人が「温暖化を防げ」と言っているのか、それとの整合性も取っておく必要がある。まず第一の理由は「ヨーロッパの言うことはすべて正しい」という前提だろう。

でも、最近、特に2000年からの20年。ヨーロッパではEUの混乱があり、経済の発展は止まり、さらにウクライナ紛争とトラブルばかりが起きている。すでに昔日の面影はない。

もう一つは、日本の補助金財政である。官僚の人がすべて劣化したわけではないが、メディアに宣伝してもらい、それに乗って意味のないテーマを定め、そこに予算をつけ、それで天下りするという図式が定着した。

だから、日本は温暖化で何をすべきかと考えるような思考回路を失っている。バスに乗り遅れるな、それには考えない方が良い、日本の地理的状態など考えない方が得になるというような短絡的な行動になっている。

1990年以来の「役に立つ研究」ということで大学も「役に立つかどうか」より、「役に立つということになっている研究なら金が来る」という状態である。

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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