ロッテの発展の特徴は、常に後発者としてトップの会社を「模倣と工夫」してシェアを拡大してきたということです。悪くいえば、うまくいっている先発企業をパクッてきたということです。もちろん、まったく同じではなくちょっと工夫と改善を加えるのです。
ロッテリアはマクドナルドの模倣。ロッテワールドはディズニーランドの模倣。ホテルロッテは京王プラザホテルを真似る。コリアセブンは、セブンイレブンの真似。「チョコパイ」は森永の「エンゼルパイ」、「雪見だいふく」は「わたぼうし」の真似。ロッテにはパクリ事業がたくさんありますが、この本ではタイムマシン経営と表現しています。
確かに絶対失敗しないために、先行企業を研究し、模倣し、工夫を加えているのは事実なのでしょう。松下電器も真似した電器と言われたこともあるし、アンドロイドOSもiPhoneの真似ですから。
重光は、日韓市場を股にかけた「真のタイムマシーン経営」を成功させた先駆けである(p384)
韓国ロッテグループは、韓国の第5位の財閥となっています。2015年のデータでは韓国ロッテの売上高は6兆5,000億円、日本ロッテの売上高は3,000億円となっています。日本で稼いだ資金を韓国に投資していくことで、韓国の巨大財閥に成長したということです。
ロッテの印象としては、確実に利益をあげていくために合法の範囲で真面目に経営に取り組んでいるという印象でした。パクリについても法的に罰せられていませんので合法ギリギリを狙っているのでしょう。
ロッテは創業者が亡くなった後もタイムマシン経営を続けていくのでしょうか。今後もロッテを見守っていきたいと思います。
松崎さん、良い本をありがとうございました。
【私の評価】★★★☆☆(77点)
<私の評価:人生変える度>
★★★★★(お薦めです!ひざまずいて読むべし)
★★★★☆(買いましょう。素晴らしい本です)
★★★☆☆(社会人として読むべき一冊です)
★★☆☆☆(時間とお金に余裕があればぜひ)
★☆☆☆☆(人によっては価値を見い出すかもしれません)
☆☆☆☆☆(こういうお勧めできない本は掲載しません)
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