しかし、目的達成のためにはいかなる手段も正当化させる脳構造を持つ強硬派は、180議席を神託宝剣のように振り回すが、これは与党の絶対多数議席が通常選挙の結果物でないことを忘却した行動だ。
総選挙が行われた2020年4月は、戦時を彷彿とさせたコロナ危機の状況だった。米国、欧州など先進国から重篤・死亡者が大量に発生しているというニュースが入り、韓国国民は「我々はあの巨大な台風の中に巻き込まれてはならない…」という危機感の中で、船長(与党)に力を与えただけだ。韓国戦争中に行われた1952年の地方選挙で、李承晩(イ・スンマン)政権が圧勝したのと同じ論理だ。民主党は自分たちの政策・理念に国民が圧倒的支持を送ったわけではないことを知りながら、それに合わせて節制する常識と廉恥は忘れてしまっているのだ。
解決は結局国民の役目だ。まず、尹次期大統領がリーダーシップを発揮せねばならない。国民は文政権の悖悪(道理にもとり邪悪なこと)を審判し正義を取り戻す適任者だと考えて、彼に政権を任せた。
検捜完剥事態がなかったら、新政権が前政権の問題に触れることは容易ではなかった。正義の具現を望む国民の心の中には、統合・和解を通じて未来に進まなければならないという相反する願いが同時に存在するからだ。
ところが、民主党自らが突然自分らの政権の問題を国民的アジェンダにしてしまった。国民は、自分たちの保身のためにまともな橋を壊し治外法権の逃げ道を作った下心が許せないとして文政権の悖悪の究明を要求するだろう。
5年間、民主主義の時計を逆に回し、任期最後まで自分たちだけの裸の王様遊びに酔いしれ、国を再び巨大な対立の淵に押し込んでいるのが自画自賛に忙しい鉄面皮政権なのだ。韓国国民はこれをこのまま放っておくはずがない。
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