長引くウクライナ戦争は多くの国に影響を与えています。しかし、中国だけはロシアによるウクライナ侵攻で大きな得をしているようです。そこで今回は、メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』の中で、国際政治経済学者の浜田和幸さんが、ロシアやウクライナからの滞った輸出から見えた中国の動きを追っています。
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ウクライナ戦争の陰で進む中国とロシアの連携プレー
ぶっちゃけ、ウクライナ戦争はエネルギーと食糧の争奪戦争を引き起こしつつあります。世界銀行によれば、「食糧価格は37%まで急騰する可能性がある」とのこと。
実は、ロシアやウクライナ産のエネルギーや穀物はヨーロッパのみならず、中国にも大量に輸出されてきました。
特に、ウクライナにとって中国は最大の貿易相手国であり、ウクライナ産の小麦やトウモロコシは中国人の胃袋を満たしてきていたものです。
今回の戦争によって、ウクライナからはあらゆる物資の輸出が滞ってしまいました。緊急事態に直面し、中国はアメリカからの食糧緊急輸入を始めたほどです。
アメリカ農務省のデータを見れば、中国は100万トンを超えるトウモロコシをアメリカから買い入れたことが確認できます。
ところが、肝心のアメリカでは温暖化と悪天候の影響で農業州での生産が軒並みダウンしてしまい、中国の要望に応えられなくなってしまいました。
今後、ウクライナ戦争が長引けば、コロナ対策のロックダウンに加え、ウクライナやロシアからの肥料の出荷も滞っているため、国際的に肥料も食糧も価格は倍増するはずです。
中国の農業・地域発展担当大臣曰く「中国の小麦生産は過去最悪の事態に直面している」。
今秋、5年に1度の共産党大会を控える習近平体制にとって、「ゼロコロナ」と食糧確保は最重点課題となっています。こうした課題を克服しなければ、習主席の3期目にも暗雲が立ち込めかねません。
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