ホンマでっか池田教授が「種の保存法」を“欠陥法”だと訴えるワケ

 

飼育がうまいので、毎年100頭を超えるオキナワマルバネクワガタが孵るようだ。しかし、たとえ無償でも誰にも譲渡ができないので、困っているのである。去年の8月と9月に産卵したオキナワマルバネクワガタの幼虫を最近掘り出したら、208頭の幼虫が出てきたという。これを1頭ずつ飼育すると、今年の秋にはほとんど成虫になる。彼が言うには、譲渡できないので150頭くらいに留めておこうと思ったが、案に反して200頭以上出てきたとのこと。

繁殖をやらないと腕が鈍るので続けるつもりだが、今後は数より大型化に重点を移すつもりだと言っていた。どう考えても「種の保存法」は欠陥法である。そもそもこの法律は、希少な野生動植物種を絶滅から守るためのものだ。座間味君のように累代で繁殖させてくれる愛好家が増えれば、たとえ、野外で絶滅しても、誰かが飼育していれば、種としての絶滅は免れる。

もし座間味君に事故があって、彼が累代で飼育している系統が途切れたら、この種の絶滅確率は増大するに違いない。多くの人に譲渡していれば、絶滅確率は減少する。譲渡を禁止しないと、野外から採集したものを売って儲ける人が出て、密猟を防げないという理由だろうが、それは密猟を取り締まればいいわけで、累代で飼育をしている人からの譲渡を禁止する理由にはならない。飼育品の譲渡禁止は種の保存に関する限り、メリットよりデメリットの方が大きい。(メルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』2022年5月13日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください)

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