ホンマでっか池田教授が「種の保存法」を“欠陥法”だと訴えるワケ

 

飼育が好きな人は、幼虫の仕草が可愛い、ブリードしてどんどん増やすのが楽しい、飼育技術を向上させてギネス級のクワガタムシやカブトムシを羽化させたい、といったいろいろな理由を挙げるけれど、結局は生きている昆虫や魚が好きなのだと思う。こういう人は、小動物が居心地よく過ごしているかとか、病気になりかけているかとか、に敏感なのだ。

座間味君の以前の商売はクルマエビの養殖である。沖縄に暫く住んでいた頃、海辺にある養殖場に遊びに行くと、時々、養殖池に素潜りで潜っていた。クルマエビの健康状態を自分の目で確かめているのだという。元気のないクルマエビはつまみ出して、病気の蔓延を未然に防いでいるのだ。クルマエビに限らず、魚介類の養殖はどうしても過密になる。過密になれば、1匹でも感染症に罹れば、あっという間に養殖場全体に拡がって、甚大な被害が出る。これを防ぐために、餌の中に抗生物質を混入させる養殖業者も多い。

座間味君は、抗生物質は使っていなかったようだ。そのために、毎日2回養殖池に潜って、クルマエビの健康チェックを怠らなかったという。座間味君のクルマエビ養殖が好調だということを聞いて、クルマエビ養殖に手を出した近所の人は、暫くしてクルマエビが全滅したという。生き物に対する配慮が足りなかったのだろう。

クルマエビの養殖をやめてからは、クワガタやカブト、メダカ、トウギョなどの養殖を趣味で行っており、近所の小学生に無償で配っていたのだが、これを大々的にやろうと思いついて、「沖縄イチムシ会」を立ち上げたとのことだ。飼育技術が優れているので、どんどん増えて、誰かに配らないと始末に困るという事情もあったのだろう。

子供たちが喜ぶのは沖縄島特産のオキナワカブトやオキナワノコギリクワガタ、オキナワヒラタクワガタなどだという。カブトやクワガタは、どこでも子供たちには人気の虫だ。特筆すべきはオキナワマルバネクワガタの累代飼育だ。オキナワマルバネクワガタは、「種の保存法」で国内希少野生動植物種に指定されていて、採集・飼育も禁止ならば、生き虫や標本の譲渡も禁止である。しかし、座間味君は指定前から累代飼育をしているので、自分自身での累代飼育に関しては、例外的に認められているのである。

「ホンマでっか!? TV」でおなじみの池田教授が社会を斬るメルマガ詳細・登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • ホンマでっか池田教授が「種の保存法」を“欠陥法”だと訴えるワケ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け