岸田政権が長期にわたれば、そのぶん林外相がポスト岸田として有力になってくる。言うまでもなく、林氏は地元・山口における安倍氏のライバルだ。「一票の格差」を是正するため、次回の衆院選から、山口県は現在4つある選挙区が3つに減る見通しでもあり、安倍氏とすれば、地盤の重なる林氏が実力を蓄えるのは、なにより気がかりだろう。それゆえにこそ、様々な会合で、岸田首相の政策に口をはさむ発言を繰り返し、自らの存在感を高めるのに必死なのだ。
5月17日に開かれた安倍氏の派閥「清和会」の政治資金パーティーには約2,800人もの参加者が集まり、岸田首相や茂木幹事長もかけつけた。
「自民党最大の政策集団として、自民党の柱石たらんとの自負と誇りのもと、岸田政権をしっかりと支える決意だ」と安倍氏はあいさつし、岸田首相は「自民党の屋台骨であると確信している」と持ち上げたという。
「自民党の柱石として岸田政権を支える」。見方によっては、言うことを聞かないとタダではおかぬという恫喝だ。岸田首相もおべっかを使うほかなかったのだろう。
狐と狸の化かし合いのような一幕。そこに、いびつな日本の権力構造が凝縮されているとはいえないだろうか。
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