まるで日本の学徒出陣。プーチンが少年兵投入まで検討し始めたロシアの惨状

 

ゼレンスキー大統領は当初「クリミアを奪還する」と発言していたが、ウ軍の人員と兵器も消耗が大きいので、最近は「2月24日の線まで速やかに奪還する」と発言を変えた。ウ軍では現在70万の兵士が戦っているが、ウ軍兵士の命を守るためにも、より強力な武器の提供を米国に要請している。

要請の内、M142高機動ロケット砲(HIMARS)とパトリオットミサイルは供与の方向であり、HIMARSは射程距離最大300キロ程度であり、M777榴弾砲より射程は長いが問題はないと見たし、パトリオットは防御用であり。問題がない。この結果は防空システム全体も欧米型に変更が必要になっているようだ

しかし、M270多連装ロケット(MLRS)はより長距離攻撃できるので、ウクライナのミコラーイフ近郊から、直接クリミア半島を攻撃できるし、ハリキウからだとロシア領内のクルスクまで攻撃できるので、このため米国も提供を躊躇っている。

ロシアはウ軍がロシアに侵略したら、戦術核兵器を使用する可能性があると表明している。このため、米国はロシアと直接会話して、提供をするかどうかを決めたいようだ。

また、ゼレンスキー大統領の発言変更も米国からの要請であろう。核戦争の危険を取り除く必要もあり、ロシアの負け過ぎも米国は心配する必要がある。そこが米国のジレンマでもある。

この代わりに、米国は首都キーウに大使館を移動させた。これは、裏で米ロの密約がある。米国は、ロシアがキーウをミサイル攻撃しないという確約を取り付けたとみる。

ということで、米国とウクライナの勝利は近いことになる。米国のヌーランド国務次官などの米国務省は、2009年に「NATO加盟」をウクライナ憲法の条項に入れ、2014年からは米退役軍人を入れて、ウ軍を現地部隊が自主的に判断する欧米型軍に教育し、携帯型武器を与えて、ロシア軍侵攻を待ち受け、2022年にロシアに対して、NATO軍は介入しないと声明して、プーチンに勝てると思わせた。

しかし、結果は、米国の長期計画でのウクライナ軍指導でロシア型上意下達型軍隊を見事に打ち破ったようである。

もう1つ、北欧フィンランドとスウェーデンのNATO加盟申請で、バイデン大統領は早期に加盟させるとしたが、トルコは反対である。

しかし、この機会でもあり、米国は反対するトルコのNATO除名を提案する可能性がある。NATO標準兵器を使わずに、ロシア製S400を購入して、NATO基準のレーダーに繋ごうとして、NATO規則に違反しているからである。さあ、どうなりますか?

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image by:Damian Lugowski/Shutterstock.com

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