まるで日本の学徒出陣。プーチンが少年兵投入まで検討し始めたロシアの惨状

 

このようなことで、ロシア国内報道でも変化が出てきた。軍事アナリストのミハイル・キョーダリョノクが、国営テレビ「ロシア1」で「事実上、全世界が我々に反対している」と、ロシアが国際社会で孤立していると主張。さらに、ロシア軍は士気の高いウ軍を相手に、厳しい戦いに直面していると述べた。

国営テレビ局が、ロシア軍への批判を放送するのは、ロシア軍が勝っているわけではないという事実を報じ、国民の期待値を下げる必要があるからだという。敗戦の準備をし始めたとも見える。

しかし、2日後、キョーダリョノクは、米国製兵器がロシアが「最も優先している標的」だと述べ、「近い将来、これらのM777榴弾砲は残骸と化すと考えられる」と語り、榴弾砲への攻撃は「達成されるだろう」と予言した。どうも、上層部からやりすぎと怒られたようである。

そして、チェチェン共和国のカディロフ首長もロシア軍の侵攻作戦には問題があったと述べた。

そして、プーチンは病気が進行して、近々手術を受けることになっている。この治療期間、大統領権限をパトルシェフ安保会議議長に移譲する。しかし、対独戦勝記念日のパレードではドミトリー・コバリョフ氏を伴い歩いたことで、後継者ではないかと注目された。パトルシェフ氏はプーチン以上の強硬派であり、戦争を止めることができない。

プーチンの良きアドバイザーであるセーチン氏は、FSB第6局長であるが、6月12日ロシアの日に、コバリョフ氏を大統領代行にする方向で、プーチンに提案したようである。プーチンは、治療に専念し、院政を引くようである。そして、9月の大統領選挙には、コバリョフを立てるようだ。

どちらにしても、ロシアは7月までには継戦が不可能になり、ソ連崩壊の2回目を経験することになる。8月から年末には停戦するしかない。9月大統領選挙後かその前には停戦するしかないことになる。

一方、ゲラシモフ参謀総長は対独戦勝記念日のパレードに参加しなかったが、米ミリー統合参謀本部議長との電話会議に出てきたので、解任を免れたようである。軍トップの会談でお互いの譲れない条件を話したようである。

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