だから国民から支持されない。左派野党が起こしている論理矛盾

2022.06.11
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なによりも、「新しい人権」の加憲は、野党が絶対に阻止すべき軍拡路線の「歯止め」ともなるものだ。仮に、将来自民党が徴兵制の導入などを検討しようとする時が来ても、既に加憲で人権条項を増やしてガチガチに固めてしまっていれば、人権制限の条項を入れるハードルは非常に高くなる。それは「9条改正」のハードルを上げることにもつながるはずだ。

一方、自民党の憲法改正法案にも「新しい人権」の条項はある。自民党にとって新しい人権の加憲が、「9条改正」への改憲の実績作りになると考えられているからだ。それでも野党は、加憲から逃げるべきではない。加憲が9条改正のステップとなるのか、それを防ぐものになるのかは、政治の闘いなのである。「万年野党」に甘んじることなく、再び政権を目指そうとするなら、この闘いから逃げるべきではないだろう。

私は、現在の左派野党のあり方をまったく支持しない。すでに、存在意義がないと主張してきた。しかし、仮に私が左派野党の指導者であるならば、若者層から「左派野党は保守、自民党が革新」と認識されているような、古臭い左翼思想を頑なに守ろうとするような体たらくな現状から脱却させる。それには、「攻めのリベラル」とでもいうべき積極的な戦略を取る必要がある。

image by: Attila JANDI / Shutterstock.com

上久保誠人

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

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