だから国民から支持されない。左派野党が起こしている論理矛盾

2022.06.11
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一方、参院選を前に、存在感を失うばかりなのが立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の「左派野党」である。「新しい資本主義」という名の選挙対策の「バラマキ」を連発し、内政において左傾化していく岸田政権・自民党に対して、左派野党は政策の違いをみせることができなくなっている。

左派野党が、弱者救済のためのさらなる財政出動を求めても、岸田政権は待っていましたとばかりに「野党の要望でもあるので」と、にさらにバラマキを拡大してしまう。左派野党は、自民党の「補完勢力」にすぎない存在となっている。

参院選の争点である改憲となると、左派野党の存在感はさらに薄くなる。左派野党の基本的な立場は「日本国憲法を守り、自主憲法制定の疑問には与しない」というものだ、憲法の平和主義や民主主義、基本的人権の尊重を守る。そして、立憲主義に基づいて、為政者の権力の乱用や暴走が起きないように縛ることが、憲法の役割だと考える。

私は、「護憲」の立場を守る政党が日本政治に存在しても構わないと思う。日本は安全保障体制を強化する必要があるし、そのために改憲が必要ならば検討すべきだが、無制限に強化していいとは思わない。なんらかの制約は必要であり、改憲に反対する勢力は必要だ。

そして、なによりも言論の自由、思想信条の自由は大切だ。多様な考えがぶつかり合うなかで、憲法のあり方が決まっていくのが健全な自由民主主義社会だ。

しかし、左派野党の問題は、「護憲」の立場をとっていることではない。「護憲」の立場に甘えたことによる左派野党の「怠慢」こそが、より深刻な問題ではないかと考える。

左派野党の中には、枝野幸男前立憲民主党代表など、憲法について積極的な議論をしていこうとする政治家は少なからず存在する。だが、いまだに憲法については「9条」のみならず、すべての条項について一文字も変えてはならないと頑なに主張する政治家がいて、議論を前に進めることができない。

なにより深刻なのは、憲法が規定する代表的なものである「基本的人権の尊重」についても、一文字も変えてはならないという姿勢のために、議論ができなくなっていることである。繰り返すが、左派野党は常々、「為政者の権力の乱用や暴走が起きないように縛ることが、憲法の役割」と主張してきた。この憲法の役割の中核となるのが、国民の「基本的人権」を守ることである。

基本的人権が憲法で規定されることによって、これに違反する法律などの法規範や行政行為はすべて無効となる。その結果、国家機関による人権侵害が防止されることになる。それが憲法の重要な機能である。

そして、現代は憲法制定時には想定されていなかった「環境権」「プライバシー権」「知る権利」「知的財産権」「犯罪被害者の権利」など「新しいタイプの基本的人権」が主張されるようになっている。また、基本的人権の拡大に伴う「国民の義務」をどう考えるかという論点もある。これらは、政治が責任を持って議論すべき論点であるはずだ。

ところが、左派野党は驚くべきことに「新しい人権」などを憲法に付け加える「加憲」にも消極的な態度を続けてきた。とにかく、憲法のすべての条文を一文字も変えさせない「護憲」の立場を守るために、「新しい人権」については、現行憲法の条文解釈で問題ないと主張しているのである。

つまり、人権については「解釈改憲」でいいということを言っているに等しいのだ。「9条については解釈改憲を認めない」という立場と、完全に論理矛盾を起こしてしまっている。このような「ダブルスタンダード」も、左派野党が国民から支持されない理由の1つだ。

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