楽天会員ニュースは2022年8月分で「お誕生日ポイント」を終了すると発表した。5月13日には楽天モバイルがO円で使えていた「0円」プランの廃止を発表したばかり。このところ楽天グループではこうしたプランの改悪が続いており、盤石だったユーザーを抱え込む「楽天経済圏」という仕組みにヒビが入っているとの指摘もある。
ポイント終了発表でユーザーの楽天離れが加速か
7月4日、「楽天会員ニュース」は8月分でメール登録して購読するユーザーだけがもらえるお得なポイント「お誕生日ポイント」を終了するとの通知があった。
シルバー会員は100ポイント、ゴールドは300ポイント、プラチナ500ポイント、ダイヤモンド会員は700ポイントと、誕生日にはランクに応じて高いポイントが付与されていたが、8月に送られる誕生ポイントで終了。突然の終了の知らせに悲しみと怒りの声が殺到した。
「楽天経済圏」とは楽天カードや楽天市場などの楽天グループのサービスを利用すればするほど、ポイントが貯まっていくシステム。SPU=スーパーポイントアッププログラムを利用すれば通常のポイントからさらに3.5倍になるシステムだ。
貯まったポイントは楽天グループ内で現金のような感覚で使用可能。
家賃、水道光熱費、携帯電話代、食費など生活のほとんどを楽天グループ内で行うことで、年間で7万〜8万ポイントを貯めることもできた。
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モバイル事業が業績を圧迫?楽天が向かう先は?
しかし、相次ぐ楽天グループ内の改悪によって「楽天経済圏」離れを起こしているユーザーも増えているようだ。
2021年4月には「楽天ゴールドカード」のポイント還元率が4%から2%に。2021年6月からは楽天カード経由で支払う公共料金(電気、ガス・水道)や税金、国民健康保険などのポイント還元率が1%から0.2%に大幅ダウンした。
また、2022年4月からはポイント付与対象が「消費税込みの金額」から「税抜きの金額」に変更。2022年5月末で「楽天でんき」がSPUの対象から外れ、使用料200円につき1ポイント還元になった。
加えて、2022年7月からは楽天銀行の口座引き落としから楽天カード払いに変えることで1%のポイント還元されていたが、0.5%になった。その上、最大上限獲得ポイントが15000Pから5000Pに大幅ダウンしていた。
このように、目立たないようにちょっとづつポイント還元率が引き下げられていたが、こう立て続けになれば悪目立ちしてしまう。
ポイ活の専門家からは「モバイル事業の負債の穴埋めだ」と指摘する声もある。楽天モバイルでも0円プランの廃止が発表されると、解約が相次いだという。
4日には楽天銀行が東京証券取引所へ新規上場申請を行ったことを発表。フィンテック事業を加速化するとみられるが、一方で大赤字を抱えるモバイル事業への資金調達のためとの指摘もある。
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事業を進めていくうえでさまざまな方針転換があるのは当然だが、利用するユーザーに改悪と思われるような変更だけは避けた方が良さそうだ。