プーチンまた激怒。「二次的制裁」恐れ露を見放す覚悟を決めた習近平

 

中国のロシアサポートの実際

「ロシアは大丈夫だ!」という人たちの根拠は、「中国とインドが制裁に加わっていないからだ」です。確かに両大国は、制裁に加わっていません。そして、ロシアからのエネルギー輸入を増やしています。ダイヤモンドオンライン6月30日。

ロシアの最大の輸出品である「石油」は、ウクライナの戦争で展開されるロシア軍の弾丸やロケットの資金源となっている。欧米は、制裁を通じてロシアの最大市場である欧州から切り離すことで、この石油という資金源を断ち切ろうとしていた。

 

しかし、そこに立ちはだかったのが中国とインドだ。

 

戦争が始まって約4カ月が経過したが、ロシアの原油輸出量は、わずかに減少した程度だ。中国とインドへの販売によって、激減した欧州向けの輸出を埋めてしまった。事実、5月にインドと中国の両国が購入したロシア産原油は1日約240万バレルで、ロシアの輸出量の半分を占めている。

 

中国とインドは、ロシアから世界の基準価格の30%引きで原油を購入しており、インフレ上昇に見舞われる世界の中で両国の経済は大きな恩恵を受けている。そんな大胆な値引きにもかかわらず、ロシアの石油価格は一時、世界的なエネルギー価格の恩恵を受けて1バレル100ドル以上まで上昇した。そうした相場上昇の結果、トータルでロシアの石油収入は増加している。

ひ~~~。これでは、「中国インドがいるから、ロシアは大丈夫派」の主張が正しそうです。しかし、この記事にはつづきがあります。

54カ国のデータを分析したピーターソン国際経済研究所の調査レポート「Export controls against Russia are working─with the help of China(ロシアに対する輸出規制は中国の協力の下で機能している)」によると、2月24日の侵攻開始からおよそ2カ月間で、制裁対象国のロシアへの輸出は約60%減少し、非制裁対象国の輸出は約40%減少したという。中でもロシアの友好国であり、ウクライナ戦争前の2021年にはロシアの総輸入の4分の1を供給していた中国の対ロ輸出も激減している。
(同上)

「制裁対象国」、たとえば欧米日の対ロシア輸出は60%減少した。「非制裁対象国」、たとえば中国、インド、中東、アフリカなどの対ロ輸出も40%減少している。では、中国の対ロシア輸出は、どうなのでしょうか?

「米国の輸出管理・制裁法では、中国企業がロシア向け機密品の販売禁止に違反すると、重要な技術、商品、通貨(主要な基軸通貨発行国は全て制裁に参加している)を入手できなくなる可能性があるとされている。中国の行動はこのリスクを反映している。侵攻後の対ロ輸出は、2021年後半と比較して38%減少し、非制裁国の平均と同水準となっている」(同レポート)
(同上)

つまり中国は、「二次的制裁」を恐れて、ロシアへの輸出を38%減らしている。

中国は「制裁に参加してない」といいます。しかし、「二次的制裁」を恐れて、「事実上参加している」といえるのです。

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