シリア 内戦は11年にも及ぶ
シリアでは、2011年以降、続いている内戦に終わりが見えない。シリアの内戦は、2010年にチュニジアで起こったジャスミン革命を発端とするアラブの春を契機に起こった。
アラブの春とは、2010年にチュニジアで起こったジャスミン革命が発端。当時のチュニジアでは長年にわたる独裁政権への不満が高まり、抵抗を示すために1人の青年が焼身自殺をする。
これをきっかけにチュニジア全土で大規模なデモ、そして暴動へと発展、1カ月も経たないうちに当時の大統領が国外追放され、20年以上続いた独裁政権が終わった。これがジャスミン運動だ。
ただ、このような民主化運動が中東各地へと広がる。これが、アラブの春と呼ばれた。エジプトでも大統領を退陣さえ、リビアでは反政府勢力が武力衝突経て政権を交代させた。
その動きは、やがてシリアへも波及してきく。それまでアサド政権に弾圧されてきたスンニ派の人々がアラブの春へと続けと行動を起こし、結果、内戦へと発展していった。
ただ、シリアで起こったのは、「21世紀最大の人道危機」と呼ばれるものだった。内戦により、多くの難民を生み、2017年には、国内避難民だけで約660万人にも及ぶとされる。
国外に逃れた人も多く、トルコは約350万人の難民を受け入れたという。ほか、ウガンダでも350万人、パキスタン約140万人、レバノンでも約100万人の難民が流入した。
また、トルコ経由でヨーロッパへ逃れた人も多く、2015年時点で、約80万人の人がギリシャへと渡った。
■引用・参考文献
(*1)「『世界は黒人の命に偏見』ウクライナ支援に絡んでWHO事務局長」BBC NEWS JAPAN」BBC NEWS JAPAN 2022年4月14日
(*2)「『極度に野蛮な行為』エチオピアで何が起きているのか」Spectee 2021年11月17日
(*3)「Ethiopia’s war marked by ‘extreme brutality’ from all sides: UN」ALJAZEERA 2021年11月3日、
(*4)OCHA,“Humanitarian Needs Overview Yemen 2021”,p.4
(*5)OCHA,“Humanitarian Needs Overview Yemen 2021”,p.28
(*6)OCHA,“Humanitarian Needs Overview Yemen 2021”,p.6
(*7)OCHA,“Humanitarian Needs Overview Yemen 2021”,p.6
(*8)OCHA,“Humanitarian Needs Overview Yemen 2021”,p.69
(*9)OCHA,“Humanitarian Needs Overview Yemen 2021”,p.69
(*10)OCHA,“Humanitarian Needs Overview Yemen 2021”,p.94
(*11)OCHA,“Humanitarian Needs Overview Yemen 2021”,p.79
(*12)「アフガニスタンのいま」UNHCR 日本 2021年12月2日、
(*13)Natasha Bertrand「同時多発テロから16年、米史上最長の戦争『アフガニスタン紛争』を振り返る」BUSINESS INSIDER 2017年9月11日
(『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』2022年7月3日号より一部抜粋)
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