安倍晋三銃撃事件を引き起こした奈良県警がまた不祥事。実弾5発紛失で署員に自白を強要、本人無罪もうつ病発症で休職へ

2022.07.15
by たいらひとし
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安倍元首相狙撃事件を防げず、大失態を犯したと批判を浴びている奈良県警。現在、警察庁が派遣した専門チームによって検証中だが、今度は別の件で耳を疑う事態が発覚した。奈良西署で銃の実弾5発が一時行方不明となり、取り調べを受けた同署の男性署員に「盗んだだろ」と自白を強要。後日、潔白は証明されたものの、署員はうつ病を発症して休職に追い込まれているという。

実弾盗難の疑いで自白を強要、後日点検ミスが発覚

1月7日、奈良西署は同署の拳銃庫で保管していた実弾5発を紛失したと発表した。共同通信によると、外部に持ち出された可能性があるとして捜査が開始されたという。

やがて一人の男性署員に容疑が向けられた。紛失が起きる直前にその署員が拳銃庫の点検をしていたからという理由だ。

その後、2月28日から3月8日の間、長時間に渡って取調べが行われた。署員の弁護士の話では、冤罪被害者と同じように刑事から「お前がやったのは分かっている」「いろんな罪を掘り下げて何度でも逮捕してやる」などと、犯人と決めつけられ自白を迫られたという。

県警は窃盗容疑で署員の自宅の家宅捜索。3月9日に署員はうつ病の診断を受けて休職に入った。

しかし、その後の内部調査で実弾はなくなっていなかったことが判明。装備品の点検作業が不十分だったために、紛失と勘違いされただけだったという。

署員は違法な取り調べだったとして、県警に抗議文を提出。県警は15日付で当時の奈良西署副署長ら3人を所属長訓戒処分などとした。

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県警内部のずさんな体質が原因か

「実弾がなくなったと思ったら、ありました。ただの勘違いでした」平たくいえば、今回の件はこういうこと。捜査には慎重をきたさなければならない警察の所業とは思えないほどのお粗末さだ。

奈良県警に対しては8日に起きた安倍元首相襲撃事件で、「警備に問題があった」ことを認め、批判の声があがっている。

そんな中、発覚した自白強要問題。署員の弁護士などによると、県警は14日、実弾の管理がずさんだったことを認めた上で、無関係であるにも関わらず捜査したことについて男性に謝罪したと産経新聞などが報じた。

県警は捜査について「法と証拠に基づいて実施した」と説明しているものの、体制に問題があったことは否めない。奈良県警に対する批判がやむことは当分の間なさそうだ。

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