エアコン普及率わずか5%で悲鳴。欧州を襲う記録的猛暑はなぜ起きた?

 

・地球温暖化との関係は?

このような異常な気候は、地球温暖化や気候変動と関係があるのだろうか。結論からいえば、日本の梅雨明けは早いのは、必ずしも地球温暖化のせいとはいえないまでも、日本の梅雨明け後、ここまで暑いのは地球温暖化が理由のひとつであると断言してよい。

ヨーロッパの熱波についても、同様のことがいえる。たとえば夏の東京は、100年前と比べ、気温が2.1℃上がっている。

地球温暖化による地球全体の気温上昇の度合いは、約1.09℃/100年であるため、夏の場合、暑さの半分は地球温暖化による影響、残りの半分は都市化(ヒートアイランド現象)によるものだ(8)。

また、一般的に地球温暖化が進むと気象の現象がより極端になるという、「極端現象」が起きるといわれる。そのため、異常気象も発生しやすい。

1990年に発表されたIPCCの報告書では、「人為起源の温室効果ガスは気候変化を生じさせる恐れがある。」という表現で、人類の温暖化への影響は断定していなかった。

ところが、昨年の2021年に発表された最新の報告書では、「人間の影響が大気・海洋を温暖化させてきたことは疑う余地がない。」とまでいわれるようになった。

気候変動による危機は、そこまで来ている。

(1)BBC NEWS JAPAN「日本で猛烈な熱波 1875年の観測開始以降で最悪」2022年6月29日

(2)BBC NEWS JAPAN「猛烈な熱波が欧州を北上、仏英で猛暑警報 スペイン北部で43度観測」2022年7月19日

(3)吉田友海「まだ40℃の酷暑が継続か 今回の異例の暑さいつまで  来週は戻り梅雨で暑さに変化」tenki.jp、2022年6月29日

(4)産経新聞「新型コロナ第7波 医療逼迫再び 外来急増、熱中症対応」Yahoo!ニュース、2022年7月17日

(5)高橋諒子「熱中症保険が続々登場 背景に猛暑とコロナ禍 収支悪化のリスクは?」2022年7月18日

(6)宇佐見昭彦「欧州でも熱波襲来 スペインで45℃超え、山火事が相次ぎ「気候変動は間違いなく起きている」」東京新聞、2022年7月16日

(7)Rick Noack and Jennifer Hassan、「Europe never understood America’s love of air conditioning until now」ワシントン・ポスト、2019年6月25日

(8)千種ゆり子「記録的な猛暑は「温暖化のせい?」 科学的に正しく答えると…【解説】」HUFFPOST、2022年7月2日

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伊東 森(いとう・しん): ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。 1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。 高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

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