エアコン普及率わずか5%で悲鳴。欧州を襲う記録的猛暑はなぜ起きた?

 

・日本 異例の早い梅雨明けとともに記録的な暑さが到来

日本では6月27日に梅雨明けした九州南部や東海、関東甲信、そして28日に梅雨明けした九州北部から北陸に続き。29日には東北南部が梅雨明けしたとくに東北南部の6月の梅雨明けは、統計の開始以来、初めてのこと。

異例の早い梅雨明けと記録的な暑さとなったのは、太平洋高気圧の勢力が例年より早いペースで強まったため(3)。

加えて、関東付近の上空1500メートルの付近に23℃という真夏でも見られないような暑い空気が流れ込んだためという。

東京都心では6月下旬にかけて5日連続で猛暑日を記録、統計開始以来、2番目に長い記録となった。群馬県伊勢崎市では気温が40℃まで上がり、6月では2度目の40℃台を記録した。

猛暑とともに、新型コロナウイルスの第7派が到来。熱中症の対応もしないとならないため、医療の現場で逼迫が起こっている(4)。

また、熱中症による入院や点滴治療費などを補償する、少額の保険も登場した(5)。

熱波はヨーロッパでも。しかし欧州でエアコンの普及率はわずか5%程度

猛暑はヨーロッパでも。

イギリスでは19日、観測史上初となる40℃の気温が観測。ロンドン南西部にあるヒースロー空港では昼までに40.2℃を記録。2019年にイングランド東部のケンブリッジで観測された38.7℃を上回り、最高を記録した。

フランスでも前日、各地で史上最高気温。熱波は欧州各国で観測、各地で森林火災を引き起こした。

このようなヨーロッパの猛暑の原因は、偏西風の蛇行によりアフリカ北部から熱波が北上したことが原因とされる(6)。偏西風の蛇行は、北極付近の急激な温暖化が要因とされる。

世界気象機関(WMO)は、「人間の活動によって北極が温暖化し、偏西風の蛇行が生じやすい条件を強化している。そのため北半球各地で夏の雨や乾燥、高温(などの異常気象)を長引かせている。」と指摘する。

ただ、ヨーロッパはエアコン普及率が低い。ワシントン・ポストによれば、ヨーロッパのエアコンの普及率はわずか5%未満(7)。

しかし、国際エネルギー機関(IEA)によれば、今回のような熱波の到来により、今後20年間で、ヨーロッパのエアコンの数は2倍になると予想されている。

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