この時には3月8日にパラリンピックが終わるので、その翌日3月9日に戦争が始まるのではないかというようなことが言われていました。
この時に海南島の三亜基地に、人民解放軍の軍艦が多数集結していることも明らかになっています。
つまり、習近平国家主席は3月9日もしくはそこから遠くない日程で戦争がはじまると思っていました。
この時に習近平国家主席からすれば、二つの誤算があったのです。
もちろん、国際的な批判などは、当然にロシアに行っていたでしょうし、また、西側諸国から経済制裁が行われるということは見えていました。
しかし、その一つ目の誤算はイギリスもアメリカも参戦しなかったということです。
参戦しなかったということは、イギリスもアメリカも軍隊を全て保持しているということになります。
本来ロシアがウクライナに侵攻し、それを防御するためにイギリスやアメリカなどのNATOが参戦すれば、当然中国側に残されている軍隊は少なくなるということ位になります。
中国は当然それを狙っていたのです。
出来れば、ロシアとアメリカやイギリスが全面戦争をしてくれればよいと思っていました。
その間に台湾を取り、アメリカが出てこない間に西太平洋を収奪すれば、基本的にはアメリカに負けないだけの経済力と資源を持つことができるということになります。
そのようにしてから戦いたいと思っていたのです。
しかし、参戦をしなかったのです。
この事からイギリスの空母クイーンエリザベスはシンガポール周辺に、またフランスの空母シャルルドゴールはインド洋に、アメリカも空母が日本を中心に4隻、つまり、中国は戦争を開始すれば、空母6隻を敵に回さなければならないということになるのです。
それでは、現在の中国では勝てません。
そもそも戦争というのは、陸軍が行います。
このように書くと海軍はどうするのかということを言う人がいますが、海軍は、「制海権」つまり「資源や兵員を運ぶため」であり、海軍そのものが都市を占領して、敵を降伏させるということはありません。
このように考えると、「海軍力」がない、「制海権」がないということになれば、陸軍が単独で中国大陸から台湾島に行くことができなくなります。
黒海にアメリカの海軍などが入れば、かなりの被害があったでしょう。
その被害を元に戻すのに10年かかります。
まさに、その10年の間に台湾に侵攻すればよいということになるのです。
しかし、NATOが参戦すれば、アメリカもイギリスも、ドイツやフランスなどNATO加盟国の内容から、当然に賛成しなければならないということになります。
中国は当然にそうなると思っていましたが、そうならなかったということになるのです。
そしてもう一つの誤算です。
(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2022年7月25日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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