73万人が亡命希望。習近平の独裁国家から逃げ出す大量の中国市民

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習近平氏が国家主席に就任してからおよそ10年、今やアメリカと覇権を争うまでに成長を遂げた中国。そんな大国からの亡命希望者の数が、昨年だけで14万人に達したことが大きな話題となっています。その裏にはどのような事情があるのでしょうか。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、このような事態を招いた背景を解説。さらに人民の不満が高まっている今、中国政府が政権批判をかわすために行いかねない侵略による「偉業達成」への警戒を呼びかけています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年7月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。 

【中国】中国からの中国人大逃亡が過去最大になっているヤバさ

中国市民の亡命希望者が急増 2012年は年間1万2000人、2021年は14万人

中国では習近平政権になってからの10年間で、亡命を求める中国国民の数が10倍になったことが明らかになりました。

国連難民期間UNHCRの報告によると、習近平が最高指導者に就任した2012年には1万2,000人の中国人が海外へ亡命しましたが、2021年にはその数は14万人まで急増したそうです。

UNHCRによれば、2012年以降、約73万人の中国国民が亡命を求めており、17万人以上が難民として中国国外に居住しているとのこと。亡命先としてもっとも多いのがアメリカで、2021年には約8万8,722人の申請者を受け入れました。

その他、オーストラリアが1万5,744人を受け入れ、ブラジル、カナダ、韓国、イギリスには数千人が亡命を申請しているそうです。

亡命を求める中国国民の数が習近平政権下で10倍に

2002~2012年の胡錦濤政権では、毎年2万人ほどいた亡命者数が徐々に減少し、2010年には5,000人を下回っていましたが、2012年以降は増加に反転し、2013年には4万人、2015年に7万人、2017年には10万人を突破、2019年以降は毎年12万人を突破していると報告されています。

これほど亡命希望者が増えている背景には、もちろん、習近平政権の人権弾圧、言論統制の強化があることは言うまでもありません。加えて、最近のゼロコロナ政策も影響が出ていると見られています。

しかも、この亡命者数には香港人は含まれていないとのこと。中国政府は2020年6月末に「香港国家安全維持法」を施行し、事実上、香港人から自治権を奪い、民主化運動の迫害や言論弾圧を強化しました。

香港返還にともない「一国二制度」を50年間は維持するという約束を反故にされたイギリス政府は、香港人のイギリス移住者受け入れを表明してきましたが、現在までの1年半で12万人以上が申請しており、それらを加えれば、亡命希望者は倍近くになると目されています。

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