73万人が亡命希望。習近平の独裁国家から逃げ出す大量の中国市民

 

これまでもメルマガで述べてきましたが、中国人の最大の夢が、中国からの大脱走なのです。

2006年に中国の大手ニュースサイト「網易」が「生まれ変わっても中国人になりたいか」というアンケート調査をしたところ、約3人に2人が「なりたくない」と答えています。当時は胡錦濤政権ですが、前述したように、胡錦濤政権では亡命者希望者が徐々に減少していました。にもかかわらず、この数字です。

上記の調査を行なった「網易」の編集者は中国当局から解雇されてしまい、それ以後、同様の調査は行われていませんが、15年以上経過した現在では、さらに悪化していることは間違いありません。

しかも、このアンケート調査が行われた翌年2007年には中国経済は14.2%という高成長率をマークしています。それほど経済が好調であるにもかかわらず、6割以上の中国人が中国人でいたくないと思っていたわけです。

そして現在、中国経済の失速は明らかです。2022年4~6月の中国の実質国内総生産(GDP)はわずか0.4%増にとどまり、ゼロコロナ政策によるロックダウンの深刻な影響が出ていることが明らかになっています。

中国経済失速 「ゼロコロナ」の代償は大きい

中国では預金が引き出せなくなったり、マンションの建設中止が相次ぐことなどで、大規模なデモが各地で発生しています。

7月10日には、河南省鄭州で、預金引き出しを停止した金融機関に対して、1,000人以上の預金者が「カネを返せ」と抗議デモを起こし、当局者と衝突、多くの負傷者を出しました。

この模様は日本のニュースでも報じられましたが、中国の地方金融機関が高金利を謳って資金を集めたものの、不正な投資などによって回収が不可能になった疑いが出たことが発端になっているようです。

中国で預金者が「人権と法治」求めデモ、負傷者多数 各地で騒動拡大

経済が回っているときには表面化しなかったような事案が、現在の中国ではどんどん出てきています。

景気の落ち込みによる不動産会社の倒産、あるいは建設会社が資金を別の投資に回してしまい回収できなくなったことなどから、中国全土で建設が中断しているマンションが増えていることも、そのひとつです。

これに対して、すでにお金を支払い済みの購入者たちの不安や不満が急拡大しており、中国全土でデモが発生しているのです。報道によれば、建設中断に怒った購入者が住宅ローンの支払拒否運動を起こしているマンションは中国で300カ所もあるそうです。

「ほとんどが泣き寝入りだ」中国マンション建設中断 デモ多発の背景

中国政府はこうした抗議デモを力で押さえていますが、人民の不満は今後、ますます大きくなっていくでしょう。民意を問うシステムがない中国では、デモや暴動で民意を示すしかないからです。

これまで中国政府は、人民の不満が高まったときには、その怒りを海外に向けさせることを行ってきました。天安門事件のあとには反日教育が行われ、国民の不満を反日に向けさせました。

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