新規客に町場のホスピタリティで対応
戸田氏はSWHDのグループ会社である「ファミリーのれん会」の一員。ここは24社で構成されていて、そのうちの3分の1はSWHDのOBで構成されている。SWHDとファミリーのれん会のお互いがお互いの株を持ち合っている。筆者の私見であるが、SWHDとファミリーのれん会は師弟関係であり、リスペクトし合う中で結束を深めている。
戸田氏はファミリーのれん会の中でリーダー的な存在とのこと。SWHDにとって、浅草横町のプロジェクトはファミリーのれん会を育成していく上で絶好の機会といえるのではないか。そして浅草横町運営の任を受けた戸田氏は、自らが考える「これからの集客と繁盛経営の在り方」をトライしていくことになる。オープン丸1カ月が経過して、浅草横町の動向にしついて戸田氏はこう語る。
「お客様のほとんどが『流動的新規客』。店の利用の仕方は、一杯飲んで定番のメニューを食べて、ほかの店を巡るというパターン。自分の肌感覚で1.8店舗を回っているようだ。ここでのホスピタリティを町場で営業しているものと同じレベルで維持していかなければならないと考えている」
筆者は浅草横町の開業エピソードを知った上で、ここに集まる人々を見ていると何かアイデアがわくのではないかと思い5回訪ねた。そこで見聞し感じたことは以下のとおり。
まず、50代以上の人はほとんどいない。20代から30代半ばまでが主流。薄汚れた服装は皆無。女子のお化粧が完璧。着物を着ている女子が1割程度(それに混じった男子の和装もちらほら)。ここの主流の客層がこれからの消費の世界を支えていくのだろう。ターゲットに向けた情報発信こそこれからの商売にとって重要である。
image by: 千葉哲幸
協力:Hi-STAND , SWHD