専門家が警鐘。2030年以降、韓国を大きな「気候危機」が襲う!

 

気候危機が韓国に及ぼす影響は何度も警告されている。今年6月、気象庁とAPCCが公開した「国内河川流域別極限降水量の未来変化分析結果」によると、現在とほぼ同じかより高い水準の炭素排出が続いた場合、60年後の21世紀後半(2081~2100年)、全国の平均極限降水量は現在より53%急増すると推定された。

これは現在(2000~2019年)の一日の累積極限降水量基準で187.1~318.4ミリより数十、数百ミリ多い量の豪雨が降る可能性があるということだ。実際、8日、ソウル銅雀区新大方洞(ドンジャクク・シンデバンドン)で観測された降水量は381.5ミリだった。画期的に炭素排出量を削減すれば、21世紀後半の極限降水量増加幅が29%程度と抑えられる。もちろん、この場合もすでに大気中に累積した温室効果ガスによって当分極限気象現象が続くことは避けられない。

クォン顧問は「脆弱階層や外で仕事をされる方々のように大雨や猛暑が発生した時、最も打撃を受ける人々のための対策が必要だが、中央政府と地方自治体がこれまでの間、体系的に準備してきたのか疑問」と話した。

2月に公開されたIPCC第2実務グループ報告書と関連論文によると、温室効果ガスを画期的に減らさなければ2030年以降、ソウルは世界主要都市の中で洪水の脅威を最も大きく受けることになる都市の一つに挙げられた。

釜山は海水面上昇で2070年には年間約3兆6,000億ウォンに達する被害を受け、仁川は約1兆2,000億ウォン、蔚山は約7,000億ウォンの被害が発生する。

IPCCは昨年の報告書で、約7年後の2030年初めになると、地球の温度は産業化以前に比べ平均1.5度上昇する可能性が高いと展望した。取り返しのつかない水準で極限の被害が生じるという意味だ。

イ教授は「昨年公開したIPCC第1実務グループ報告書の重要なメッセージは、1.5度の上昇を防ぐための機会の窓がまだ開かれているが、非常に早く閉まってきているということ」とし「遅れれば遅れるほど耐えなければならない費用が幾何級数的に大きくなるだけに、今回の大雨被害を契機に、より積極的な対応を始めなければならない」と指摘した。

(無料メルマガ『キムチパワー』2022年8月13日号)

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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