印象的だったのは、大きくなっている新宗教は、信者拡大とお金について貪欲であったということです。
例えば、創価学会会長であった池田氏は、日蓮正宗の総本山大石寺の総講頭の地位にありました。講のリーダーでした。講とは、信者で金を出し合い、助けあう仕組みです。天理教も「講を結ぶ」ことから教団の組織化を進めたといわれています。
創価学会では12月に「財務」という名の献金が求められています。一人1万円が目標になっていますが、10万、100万、1,000万円財務する人もいるという。また、会館を建てるときには「供養」と称する資金集めが行われるという。
天理教でも勢力を拡大していた明治から大正の時代には、「貧に落ちきれ」と統一教会と同じように信者に全財産を献金するよう促していたという。
創価学会などは、じつは講としての性格を持っていました…天理教の開祖である中山みきも、信者にむかって「講を結ぼうやないか」と呼びかけ、教団の組織化を促したとされています(p79)
幸福の科学は信者が、大川総裁の離婚などの影響で1万人が半減したとか、宮沢賢治は日蓮宗系であるなど興味深い一冊でした。
こうして見ていると、新宗教とは都市化が進む日本の中で、寂しい日本人に求めていた仲間というか、居場所を提供しながら成長してきたように感じました。
仲間がいて、入信すれば現世利益が得られるとすれば、入信する人もいると思うのです。そして仲間がどんどん増えていけば、ますます増やそうということで組織を大きくしていったのでしょう。
今の日本は人口減少、高齢化が進んでいますので、新宗教もその流れの中でなんとかやっているのだと感じました。
島田さん、良い本をありがとうございました。
【私の評価】★★★☆☆(75点)
<私の評価:人生変える度>
★★★★★(ひざまずいて読むべし)
★★★★☆(素晴らしい本です)
★★★☆☆(読むべき一冊です)
★★☆☆☆(余裕があればぜひ)
★☆☆☆☆(人によっては)
☆☆☆☆☆(こういう本は掲載しません)
image by: Shutterstock.com