映画やドラマの世界ではお馴染みの探偵物ですが、現実の探偵には会ったことも仕事を依頼したこともない人の方が多いのではないでしょうか。男女関係の調査や企業による人物照会以外にも、さまざまな依頼が舞い込む探偵の仕事のあれこれを教えてくれるのは、メルマガ『探偵の視点』の著者で現役探偵の後藤啓佑さんです。今回は、後藤さんが受けた仕事の中でもちょっと変わった2件の“思い出探し”の依頼を紹介。どのように見つけたのかも明かしてくれます。
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探偵事情:思い出の神社を探してほしい?
今週は、「ちょっと変わった探偵の仕事」シリーズです!
探偵の仕事と言えば、男女トラブルを真っ先に思い浮かべますよね。しかし、このメルマガでも度々お伝えしている通り、僕のところには浮気以外の仕事も結構来ます。本日は、そんな中でちょっと変わってるなぁと思う仕事をピックアップしご紹介します。
今回は、「思い出の神社を探してほしい」という依頼です。どういうこと!?という感じですが、開口一番こう言われたんです(笑)。
依頼者は70歳代の男性。60年前にお兄さんとたまに行っていた神社があった。そこの神社はお兄さんのお気に入りだった。お兄さんが他界してしまった為、その思い出の神社の場所に行きたいけれど場所や名前を忘れてしまった。探偵さんなら探せると思い、相談することにした。という流れでした。
これは、比較的簡単そうだけど一歩間違えれば迷宮入りしそう…という内容です!依頼者さんの情報次第でどこまでいけるかが決まります。
まずはその頃住んでいた場所。そこからどういう交通手段でどのくらいの時間かかったのかを聞き出し、計算します。これである程度の神社が絞れますので、あとは当時のイメージや景色など覚えているものをなんでも聞き出し、どんどん絞り込むと、最終的に2つに絞ることができました。グーグルマップを使い、15分ぐらいで決着です(笑)。
どちらかだと思うから、現地に行ってみてください。と送り出し、数日後…。電話で連絡がありました。「どちらも多分違うと思うんです…。なにかしっくりこない」。これは、迷宮入りパターンか?
なんとかしてあげたいのでさらに思い出を聞くことに。すると…「あっ!思い出した!祖母の家だ!その神社は祖母の家から行っていました!」。祖母の家!?じゃあ前提から違った…。「探偵さん、思い出しました!多分たどり着けます!!!ありがとうございます」こう言って依頼者さんは電話を切り、数日後にそこに向かったようです。
数日後、「見つかりましたよ!!いやあ探偵さんのおかげです」と電話がきました。探偵の能力は一切使っていないですし、もちろんお金も頂いてません。ただの親戚の人が手伝った感じで終わってしまいました(笑)。仕事、とは言えないですが、なんともほほえましい相談でした。見つかってよかったです(笑)。
この話は微笑ましい形で終わりかと思いきや、実はここで終わりではなかったのです。その後、その方から再び電話があり、「探偵さん!思い出の仏像を探してほしいっていう友達がおるんだが!」
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