岸田首相の大誤算。「統一教会に国を売った政治家」の“国葬”が総理の首を締める

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安倍元首相銃撃事件を機に、次々と暴かれることとなった自民党議員と旧統一教会との浅からぬ関係。多くの国民が自民党に対しその関係性について説明不足を感じており、内閣支持率も急落しているのが現状です。まさに危機的状況に立たされた岸田政権に、この先どのような命運が待ち受けているのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、政局は当面旧統一教会問題を軸に動くとして今後の展開を予測。さらに「安倍流改憲」も尻すぼみに終わるとの見方を示しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年8月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

《講演録》23年統一地方選に向かう政局の流れ/「安倍国葬」が大きな躓きで「黄金の3年間」どころではなくなった

8月19日に地方議員の集まりである「平和立憲会議静岡県」でズームを通じて講演したので、その前半部分を要約・補充しつつ紹介する。


内閣支持率が急落

8月に入って内閣支持率が急落した。8月8日発表のNHK調査では、「内閣支持」は前月比13p減の46%/「不支持」は7p増の28%だった。「安倍国葬を評価せず」が12p増の50%/「評価する」が13p減の36%と、完全に並行した数字になっているので、国葬決定が支持率急落の主な理由となっていると推測できる。「統一教会と政治の関係が説明不足」が82%に達している。

同日発表の読売調査でも「内閣支持」は52%(8p減)/「不支持」32%(8p増)。国葬については「評価せず」46%/「評価する」49%と評価するがやや多いが、「統一教会と政治の関係が説明不足」は87%と9割近くで、今後マスコミなどの追及が深まっていくと国葬評価にもネガティブな影響が出てくると予想される。

これは岸田文雄首相にとって大きな誤算で、統一教会疑惑を早く忘れさせようとして、当初は8月末か9月に予定していた党・内閣人事の改造を繰り上げたのだが、閣僚も副大臣・政務官も同教会と関わりのある者がかえって多くなってしまうほどで、共産党の小池晃書記局長が10日の記者会見で皮肉たっぷりに述べたように「もはや、自民党は、統一教会と関係を持たない議員では、組閣ができないというところまで、深刻な、ズブズブの関係、抜き差しならない関係があるんだということが、逆に証明された」形となった。

「反日団体」という認識

しかも、先週から今週にかけて、統一教会を「反日団体」と正しく捉える認識が広がってきた。私は、8月11日付の『日刊ゲンダイ』コラムで、統一教会を「反社会的団体」と呼ぶのでは不足で「反日団体」と規定すべきだと述べた(先週FLASH欄参照)ところ、期せずしてあちこちから同様の声が湧き始めた(今週FLASH欄参照)。小林よしのりは安倍が「反日・反社カルトに国民を売ってもかまわないという『売国力』を発揮した」とまで言う辛辣さである。

その通りで、反日団体、反日カルトと呼んでもまだ不足で「反日謀略工作機関」と言うのが本当のところで、それを安倍が日本政界の中に浸透させる手引きをしたのはまさしく売国行為であって、その人物を国葬に付すというなら岸田は国民を納得させるきちんとした説明をしなければならない。

これはとんでもない泥沼に嵌まったと、岸田は今頃自分でも唇を噛んでいるのではあるまいか。

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