「ドゥーギン自身が娘を殺した」説がロシア国内で急上昇したワケ

Bucharest, Romania - April 05, 2017: Aleksandr Dugin, Russian political analyst, strategist, writer and philosopher, holds a press conference in Bucharest.
 

ドゥーギンが娘を殺させた説!

4つ目の説がでてきました。最初にお断りしておきますが、かなりぶっ飛んだ話で、なかなか信じるのは難しいと思います。この説を語っているのは、「ゲネラルSVR」として知られている人たち。直接話している人は、ビクトル・ミハイロビッチと名のっています。もちろん、本名ではないでしょう。日本でも時々「SVR将軍」と紹介されています。

SVRというのは、ロシア対外情報庁のこと。ここの将校たちが、「政権内部の状況を暴露する」というスタイルで情報発信しています。欧米メディアも諜報も、頭からは信じないですが、「参考」にはしているようです。

さて、「ゲネラルSVR」は、ダリヤ・ドゥーギナ暗殺について、どう解説しているのでしょうか?

【ドゥーギン自身が殺させた】そうです。

なぜ?全部話せば長くなるので、要約します。1か月ほど前、ドゥーギンは、FSBの将校に会いました。FSB内の「ドゥーギン評」はわかれているそうです。「信者」もいれば、「過激思想を持つ危険人物」と見る人もいる。

ドゥーギンは、FSBの将校に、プーチン批判を展開しました。要するに、プーチンのやり方は、緩すぎると。ドゥーギン的には、総動員令を出して、100万人~200万人の軍隊を編成し、ウクライナを制圧したいのでしょう。

ドゥーギンは、「どうすればロシア政府をもっと強硬にするきっかけを作ることができるだろうか?」と常に考えていました。考えながら散歩していると、子猫を見た。それからしばらく歩くと、さっきの子猫とそっくりの子猫が死んでいた。ドゥーギンはその時、悟ったのだそうです。「嗚呼、娘のダリヤを聖なる犠牲としてささげなければならないのだな」と。彼は、そのことをFSBの将校に話しました。FSBの将校もさすがに驚愕し、すぐには信じられなかったそうです。

FSBの将校は、ドゥーギンとの会話を録音していました。そして、その音声を、安全保障会議書記パトルシェフに聞かせたそうです。パトルシェフも強硬派で、「もっとガンガン攻めてウクライナ全土を制圧してしまえ!」という意見の人。「ドゥーギンのアイディアは悪くない」と考えたのでしょう。これにボルトニコフFSB長官もからみ、「ダリヤ・ドゥーギナ暗殺」が決断されたとのことです。

繰り返しになりますが、何のために?ウクライナへの憎悪を煽り、総動員令を出しやすくするため。この辺は、ウクライナが主張する「自作自演説」とかわりません。しかし「ゲネラルSVR」の主張は、「ドゥーギン自身が娘を殺せと提案した」ところが違います。一般的には、「ドゥーギンがターゲットだったが、間違って娘が殺された」ことになっています。この説では、「最初からダリア・ドゥーギナがターゲットだった」ことになります。

print
いま読まれてます

  • 「ドゥーギン自身が娘を殺した」説がロシア国内で急上昇したワケ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け