「すべての環境で核を使える宣言」した北朝鮮を世界はどう扱うのか?

The nuclear warheads of a ballistic missile are aimed upwards for a nuclear strike. army weapons.  the threat of a weapon.The nuclear warheads of a ballistic missile are aimed upwards for a nuclear strike. army weapons. the threat of a weapon.
 

北朝鮮が「核放棄不可」を宣言しました。これにより、核兵器を使用するための敷居を下げた北朝鮮がこれからどう動くのか、韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『 キムチパワー 』の中で語っています。

斬首作戦兆候だけでも核攻撃か

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「核放棄不可」を宣言し、事実上恣意的判断によって「先制核攻撃」ができるよう明示した核兵器政策を法令として採択した。非核化交渉への橋を自ら断ち切ったわけだが、新たに発表した「核ドクトリン」が言葉だけにとどまらないことを示すため近く核実験など重大挑発に出る可能性が提起されている。

金正恩は9月8日、最高人民会議施政演説で「絶対に先に核放棄と非核化はありえず、そのためのいかなる交渉もその行程で互いに交換する取り引きもない」と述べた。さらに、「米国が狙う目的は、究極的には(北朝鮮に)核を放棄させ、北朝鮮政権を崩壊させようということだ」と主張した。それと共に「百日、千日、十年、百年の制裁を加えろ」とし「今被っている困難を少しでも免れようと国の生存権および人民の自衛権を放棄するような、そんな我々ではない」と強い口調で言った。

北朝鮮は同日の会議で採択した核兵器政策法令6条で、核兵器を使用できる5つの条件を提示した。

<先制核攻撃を明示した北朝鮮核兵器政策法令>

2022年9月8日最高人民会議 第6条「核兵器使用条件」

1.核兵器または大量殺戮兵器攻撃が敢行または切迫
2.国家指導部、国家核武力指揮機構に対する敵対勢力の核および非核攻撃が敢行または切迫
3.国家の重要戦略的対象に対する致命的軍事的攻撃が敢行または切迫
4.有事の際、戦争の拡大、長期化を防ぎ、戦争の主導権を掌握するための作戦上の必要が不可避に提起されている。
5.国家の存立と人民の生命安全に破局的な危機を招く事態が発生

これと関連して、北朝鮮に向けた攻撃が実際に行われていない状況で「差し迫った兆候」だけで核を使えるようにするなど、事実上恣意的で主観的な条件を羅列したという指摘が出ている。核の脅威に対してのみ核で対応するのではなく、WMDあるいは通常攻撃、甚だしくは定義自体が不明な「破局的危機状況」でも対抗して核を使えるようにした点も「核使用の敷居」を大幅に下げた措置だ。

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