露軍ついに「女性徴兵」提案か。部分動員も兵員不足で焦るプーチン

 

南部ヘルソン州・ザポリージャ州攻防戦

ロ軍は、ムイロベとプラスキンズキーを結んだ線上に塹壕を掘り、防衛線を構築した。ウ軍は前進してスハノバまで来て、ムイロベの攻撃をしていた。

しかし、ムイロベの攻撃でも、数回、ロ軍の鉄壁の防御で、ウ軍は攻撃に失敗したが、とうとうムイロベを奪還したようである。ということは、ロ軍前線部隊も撤退を開始した可能性がある。

ロシアのスロビキン総司令官は、ドニエプル川西岸のロ軍の撤退を秩序だって行うようだ。補給がこの地域には十分できずに、その内、弾薬もなくなり、それと、精鋭部隊をこれ以上失うと、重要地域の防御もできないとして、撤退を決断した。

現在、イリューシン76輸送機と大型ヘリ数機で、ロシア本土とクリミアとの間で補給をしているが、輸送量が少なく前線への補給ができないようである。

このため、前線で弾薬や食糧などが不足しているし、ローテーションもなしに数か月軍務にあたり、士気が低下している。このため、ウ軍への降伏も多くなっている。

よって、撤退が必要で、ロ軍は、カホフカ橋の袂の街ベゼルに要塞を作り、カホフカ橋を渡り撤退できるように最後の拠点を整備している。西岸地域には2万の軍がいるからである。

ヘルソン市の行政機関や司令部などは、既に東岸に移した。その上に親ロ派住民の避難も行っている。どうも、シンガリを誰が担うのかで、ヘルソン市内でロ軍同士で、銃撃戦になったみたいである。

撤退前に、ヘルソン市では銀行やスーパーなどにロ軍が略奪をしているが、ヘルソン市のロ軍も徐々にフェリーや艀で、西岸から東岸に移動させている。そして、ヘルソン市ではネットが不通になった。最後まで残るロシアの通信会社も撤退が完了した。

それと、カホフカ橋に地雷を仕掛けている。ダム自体に穴を開けて爆薬を仕掛けているともいう。そして、ゼレンスキー大統領は、ロ軍がダムを破壊すると述べている。ウクライナ政府は、ダム破壊でヘルソン市は水が5mほど上がるので、避難する必要があると勧告した。

ということで、撤退を開始したが、前線のロ軍の撤退も始まったようだ。秩序だった撤退劇を行っている。前線部隊に精鋭を配し、ウ軍の攻撃を防ぎながら撤退している。お見事。

もう1つ、ザポリージャでもウ国営原子力企業エネルゴアトムは、ザポリージャ原発がある中南部の都市エネルホダルから、ロ軍が撤退を開始したと。もう1つ、この方面でのロ軍の砲撃数が減っていることで、ここの砲兵はスバトボやバクムット方面に配置転換した可能性がある。スバトボとバクムットの砲撃数が増えた理由でもあるようだ。それでもウ軍の砲撃数より多い。

この動きは、ロシアの戦略戦術見直しが始まったことを示している。

バクムット方面

ロ軍の精鋭部隊が少なくなり、バクムット周辺に攻撃を絞り、そこに動員兵も増強して、攻めている。ここでも砲撃数が増えている。ウ軍よりロ軍の方が多いが、精密誘導弾ではないが、ウ軍の損害もある。もう1つが、動員兵が増強で、攻撃力が増していることだ。

このため、徐々にロ軍がウ軍を押しているようである。

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