露軍ついに「女性徴兵」提案か。部分動員も兵員不足で焦るプーチン

 

ドローンを提供するイランとロシアの結びつきが強くなり、イスラエルのラビド首相がロシアを批判したし、イスラエルは、ウ軍にドローン防御兵器を提供しようとした。

しかし、ロ前大統領のメドベージェフに、「兵器をウ軍に送ったら、容赦しない」との発言で、イスラエルはウ軍への武器提供を止めた。

このため、ウクライナのクレーバ外相が、直接ラビド・イスラエル首相と電話会談して、アイアンドームの提供を依頼したが、どうなりますか?

全体的に、スロビキン総司令官は、現状のロシア軍の状況を詳しく知っているので、劣勢であることも承知して、その対応策を出してきたようである。

1つは、ミサイル等によるウクライナ民間インフラへの攻撃の継続で、ウクライナ人の戦意を喪失させること。

2つは、戦線の再設定。冬季の守備のため、ある程度の後退も行い、戦力を保持し重要地域の守備用にその戦力を集中させる。南部ヘルソン州からの撤退もこのためだ。

3つは、主要補給線の防御と強化。スロビキン総司令官はそれと並行して、将来の攻勢作戦の準備をする。国内経済体制を戦時経済体系にして、軍事物質の供給量を増やす。

4つには、スロビキン総司令官は2023年の攻撃計画を策定し、訓練の終えた動員兵とT-62戦車を新地上戦力にして、この計画策定のためのウクライナでの偵察活動もする。この活動でリマンにロ軍が現れた可能性がある。

このため、ウ軍もロ軍が変化したことで、戦略戦術を変える必要が出ているようだ。

1つに、自爆ドローンの飽和攻撃をどうのように防ぐかの方策が必要になっている。当初撃墜率が60%であったが、今は80%まで高めたが、防空システムで100%にする必要がある。

2つに、プーチン防御線・ワグナー防御線という防御線に対して、損害の少ない突破方法を考える必要がある。このためには、攻撃力の高い兵器も必要である。

3つに、ロシアの持久戦にどう対応するのかである。ロシア経済は石油・天然ガスで経済成長はマイナスであるが、ウクライナより経済規模は大きいし、戦場になっていないことで、マイナス幅は少ない。

それに比べて、ウクライナは経済縮小幅が大きく、持久戦を長くはできない。なるべく早く戦争を終わらせる必要がある。しかし、ロシア本国を攻めることができない。

ウクライナ情報総局のブダノフ総局長も、今年末までには、ウクライナが勝利したというレベルまで行くという。

停戦は

このため、どこかで停戦をする必要がある。それもなるべく早く、このためには、米バイデン大統領も、ロ軍を圧倒する兵器をウ軍に提供しないと、戦争は終わらないし、米国議会で共和党が下院で多数になると、長くはウクライナを支援できない。

このため、停戦開始のポイントを作り、そこまで到達する時間を短くする必要がある。

このポイントが2月24日以前のロシアとウクライナの停戦ラインであろうとみる。これに向けて、ウ軍を増強していくしかない。

まずは、ドローン防御システムであり、次に米国のドローン、A-10攻撃機、欧米戦車などの最強な攻撃兵器を提供することであろうとみる。

ロ軍の総指揮官は、状況に柔軟に対応する人であり、今までのような状況に対応できない無能な人ではないので、注意が必要である。ロシアも戦時経済体制を引き、長期戦の構えである。

一方、ロシアの核使用の可能性は、通常戦力で負けない方法を取る柔軟な考え方ができる人であり、危機的な状態にならないことで、現時点では減っている。

さあ、どうなりますか?

(『国際戦略コラム有料版』2022年10月24日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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